Archive for 2019

不安を減らすデザイン。

2019.9.11

初対面の人と仕事について話すとき、「不安を減らすこと」について話すことが多くなっている。
というのも、ぼくはデザインをするときに「不安を減らすデザイン」に一番気を使っている。
以前から「事業者はお客さんに買う理由を与えるが、お客さんは買わない理由を探している」と言っているが、これが、不安を減らすデザインのはじまりだ。
不安には色々な種類があるが、その中でも大きいのが「孤独」と「恥」だ。
人は損をしたくないが、安物買いの銭失いよりも、感情的なマイナスの方が損のトラウマは大きいダメージとなる。
買う理由を与えるよりも、こういった不安を減らした方が、お客さんは買いやすくなるのと、買った後の感情のダメージがなくなる。
もしも、製品やサービスが優れているのなら、感情のダメージがなければ、感情の働きは正の方向へ動く。
つまり、感情体験として優れたものになる。
そのためにも、まずは購買してもらう必要があるのだが、企業は「不安」と「不便」を履き違えてしまい、不便を減らして便利にしようとするが、不安は置き去りにする。
だから、多くの事業は不安を減らしていないので、どんなにアピールをしても売れない。
これは何も伝統工芸や地方ビジネスに限らず、すべてのサービスに言えることだ。
相手の不安を減らす、まずはここからはじまる。

昼寝。

2019.9.10

出張帰りの日曜日、家で作業していたら寝落ちして、そのまま2時間以上昼寝をしていました。
目が覚めて、時計を見てびっくりしましたが、「やっぱり疲れていたんだなぁ」と納得。
振り返ってみると、ぼくはよく昼寝をする子どもでした。
病気もあって疲れやすい体質だったのかもしれませんが、昼寝体質は今でも引き継がれています。
昼食後の20〜30分の昼寝なんてざらです。
昼寝の特徴として、普段、夜寝ている時は夢を見るのに、昼寝だと夢をあまり見ていないです。
夢は見ているはずだから、覚えていないと言った方がいいのかな。
記憶にございません、と言ってみたり。
ま、それは置いといて、寝る体質のせいか、ぼくは寝ている間に考えていることが、仕事に結びついたり、仕事のアイデアになっていることが度々あります。
ブログの内容も、けっこう、夢で考えていたことから始まっていたりします。
だからと言って、「寝るのはいいことだ」とは言いませんが、寝てばかりの人を冷遇しないで欲しいなぁ、と思ってはいます。
秋になったら、ベンチで昼寝する人も増えるでしょうから。

専門家のレベルについて。

2019.9.9

専門家にもレベルはある。
ぼくは専門家を医者に喩えて話すことが多いが、今回も同じだ。
専門家のレベルには、「治療ができるレベル」と「治療と予防診療ができるレベル」がある。
 
この違いはかなり大事で、治療ができるレベルであれば、クライアントの抱えている課題を解決したり、クライアントの欲求を満たすことを仕事とする。
「〇〇のことなら、私たちにお任せください!」という売り文句の専門家は、クライアントの欲求を満たすことを仕事としていると言える。
そう言わないまでも、治療ができるレベルだと、短期的な課題の解決に向いているが、長期的な視点でのリスクを回避することが難しくなる。
そのため、聞こえのいい案を採択しやすくなり、このような専門家と出会うとクライアントはノリノリになるが、いざ発売となったら思うようにならない、というケースに陥りやすい。
 
そこで、次のレベルである「治療と予防診療ができるレベル」の専門家が必要となる。
このレベルになると、クライアントの抱える課題への治療として、治療を施した後の長期的な視点を持ちながら、治療方法を提案することができる。
クライアントの欲求を満たすことよりも、課題への治療と予防診療を主とするので、クライアントからすると否定的に映ることもしばしばある。
なぜかというと、クライアントの欲求を満たすことを主とすれば、必ず同じような課題が再発するため、クライアントの話す要望に対して、注意を促すことが度々起こるからだ。
そのため、予防診療ができる専門家と出会うと、クライアントは怒られたようになり、戸惑いの表情や険しい表情となる。
けれども、それは最初のみで、専門家を信任してこの段階を通過すれば、「実際にはやってよかった」という結果になりやすい。
 
今まで専門家のレベルを挙げてきたが、結局は、どのレベルの専門家と仕事をしたいか、なのだろう。
自分の欲求を満たすために他人がいると思っているのならば、欲求を満たしてくれる人と仕事をするだろうし、そうではなく、事業の未来やお客さんと環境のことを考慮するのであれば、そのような人をパートナーにするだろう。
こうやって考えてみると、依頼主になるとき、「自分がどんな人間なのか」が現れると言える。
つまり、「目利き」というのは、物事や人を見るときの目でもあるんだ。
優れた目利きは、自分のことや、他人のこともよくわかる。
大事なのは、自分が必要としている人と、専門家のレベルを間違わないこと。

越境すること。

2019.9.4

デザイナーである原研哉さんが場所の選定、撮影、ライティング、編集のすべてを手がけている『低空飛行』。

率直な感想、とてもいい。
職種を越境する働き方をしている自分にとって、とても励みになる内容だ。
60歳を超えても良質なものを吸収し、提供してきたことで培った視点か。
梯子を登って背伸びをしないと、ぼくにはまだ見えない視点。
でも、もうすぐだ。
ここまでの距離がわかった。
だから、ものづくりはたのしい。
 
それにしても、ジェフリー・バワ氏、エイドリアン・ゼッカ氏は避けて通れない人物だな。観光を意識するようになって、この人たちが作り出した思想と価値観を、ぼくらは享受していることを年々痛感している。
 
さて、明日(このブログが読まれている頃だと今日)から出張だ。
これからの日本のあり方を左右するとは言えないが、観光業は日本という国が経営破綻しないために必要な事業。
これに携わることで、クリエイティブが国益に関わることだという意識は、強まった。
ひとつの事業体が潤いながら、全体を潤わせる方法。
この旅はまだまだ終わらない。
 
※出張のため、次回の更新日は9月8日(日)もしくは9日(月)の予定です。

楽しいしかない。

2019.9.3

連日動画について書いていますが、今日も引き続きそれです。
新しいことを始めると楽しいんだなぁ、としみじみ感じています。
というのも、新しいことって、不安もあるはずなんです。
それが、全然ないんですよね。
予算をどうしようもないし、人に賞賛されたいもないし、誰かと競わなきゃもない。
不安の元っていうのは、誇張と欲望です。
クライアントワークをしていると、ほとんどのクライアントがこの二つと、不安を持っています。
「売らなきゃいけない」は「いいものだと伝えなきゃいけない」になり、それが誇張と欲望になって、「売らなかったらどうしよう」や「伝わらなかったらどうしよう」という不安になります。
クライアントだけでなく、今の世の中は、これで溢れています。
でも、誇張と欲望がなければ、不安も生まれようがないのです。
それで、新しいことを始めるのだから、楽しいしかないんですよ。
これは、いい発見でした。