専門家のレベルについて。

2019.9.9ビジネスの健康, 日々のこと

専門家にもレベルはある。
ぼくは専門家を医者に喩えて話すことが多いが、今回も同じだ。
専門家のレベルには、「治療ができるレベル」と「治療と予防診療ができるレベル」がある。
 
この違いはかなり大事で、治療ができるレベルであれば、クライアントの抱えている課題を解決したり、クライアントの欲求を満たすことを仕事とする。
「〇〇のことなら、私たちにお任せください!」という売り文句の専門家は、クライアントの欲求を満たすことを仕事としていると言える。
そう言わないまでも、治療ができるレベルだと、短期的な課題の解決に向いているが、長期的な視点でのリスクを回避することが難しくなる。
そのため、聞こえのいい案を採択しやすくなり、このような専門家と出会うとクライアントはノリノリになるが、いざ発売となったら思うようにならない、というケースに陥りやすい。
 
そこで、次のレベルである「治療と予防診療ができるレベル」の専門家が必要となる。
このレベルになると、クライアントの抱える課題への治療として、治療を施した後の長期的な視点を持ちながら、治療方法を提案することができる。
クライアントの欲求を満たすことよりも、課題への治療と予防診療を主とするので、クライアントからすると否定的に映ることもしばしばある。
なぜかというと、クライアントの欲求を満たすことを主とすれば、必ず同じような課題が再発するため、クライアントの話す要望に対して、注意を促すことが度々起こるからだ。
そのため、予防診療ができる専門家と出会うと、クライアントは怒られたようになり、戸惑いの表情や険しい表情となる。
けれども、それは最初のみで、専門家を信任してこの段階を通過すれば、「実際にはやってよかった」という結果になりやすい。
 
今まで専門家のレベルを挙げてきたが、結局は、どのレベルの専門家と仕事をしたいか、なのだろう。
自分の欲求を満たすために他人がいると思っているのならば、欲求を満たしてくれる人と仕事をするだろうし、そうではなく、事業の未来やお客さんと環境のことを考慮するのであれば、そのような人をパートナーにするだろう。
こうやって考えてみると、依頼主になるとき、「自分がどんな人間なのか」が現れると言える。
つまり、「目利き」というのは、物事や人を見るときの目でもあるんだ。
優れた目利きは、自分のことや、他人のこともよくわかる。
大事なのは、自分が必要としている人と、専門家のレベルを間違わないこと。

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