Archive for 2018.3

ノウハウを伝える理由。

2018.3.17

投資の感覚といえばいいのだろうか。
昨日は色々なクライアントや関係者たちと連続して話す日だった。
 
リクルートが危うかったときに、亀倉雄策さんがリクルート社内に事務所を移転させて、亀倉さんを知らない若い社員を励ましたり、当時の社長へ説教をし、立て直しを助けていた。
 
昨日、クライアントの一人と話していて、自分の口から「君や君のいる会社への投資だよ」と言ったときに、このことを思い出した。
規模感も違うし、レベルも違うかもしれない。
投資という言葉も似合わない。
たぶん違う言葉の方が適切だろう。
 
「投資と成長の機会」と言った方があっているだろう。
いや、「きびしさもある縁」と書いた方がいい。
 
北野たけしさんの独立の記事を読んでいても、同じことを思い出した。
 
ぼくがノウハウを包み隠さずさらけだすのも同じ思想がある。
ノウハウを隠したままぼくが死んじゃったら、ぼくを頼ってくれた人たちはうんこくずなデザイン会社や広告代理店に騙されることもある。
道を踏み外すこともある。
 
ノウハウというとスキルのような気がするが、人と人との関係性なんかもある。
「〇〇ができるからお願いしたい」ではなく「江口さんにお願いしたいんだ」と言われるのは、とても嬉しいものです。
ちょっと、がんばる気持ちが、プクッと起きるよね。
 
その人たちは、ぼくへの報酬が少なくなるのを良しとしないから、信じられるということもあるけど。
それが、きびしさもある縁、ってことだろう。
 
そういえば、最近は変な虫が寄って来なくなったな。

打席に立って全力でバットを振れ。

2018.3.7

最近、自分の経歴を見ていて「本当に俺か?」と思っちゃいました。
きっかけは、他の人の経歴を見ていて、随分すごそうな横文字が並んでいて「背伸びしてんなぁ」と恥ずかしく思ったのがきっかけです(たぶん凄いんでしょう)。
それで我が身を顧みたんです。
そしたら、写真家の賞歴も展示歴も、デザイナー(ディレクター)としてのクライアントの顔ぶれもそうそうたるものなんです。
 
僕が他人として僕を紹介されたときに経歴だけ見たら、「うそ〜ん」って思うでしょう。
実際に会ってみたら、ヘラヘラしながら現れて、薄っぺらいポートフォリオ(作品集)を出すんです。
たまに難しい顔をして。
もう胡散臭い。
でも、すべてにそれぞれのストーリーをネタのように話しちゃうから、今度は「うそ〜ん、マジやん」と感心するんです。
 
だいたい最近はこんな風にして人と出会うんですが、なんかね、もっと「あおぞら教室」みたいな感じで、クリエイティブをしていたいと思ったのです。
伝えたいというか。
多分に誤解を生む言い方だけど、現代の「コミュニティは作るもの」という風潮の気味悪い感じから一歩抜け出したいようなね。
(コミュニティは「いつの間にかできてるもの」ですからね)
 
ダ・ヴィンチを追いかけて荒野を走って来たつもりが、後ろに摩天楼ができてたなんて、なんか自由じゃない。
いや、いいんだけど。
ロックの魂じゃない。
でもまだ止まらんけど。
打席に立つ機会を得られている以上、俺は全力でバットを振って点数とりにいくぜ。
送りバントでも犠牲フライでもデッドボールでもな。