Archive for 2011.6

新規

2011.6.26

日々、写真のことを考えた結果

遊びの経験が変えたこと

2011.6.25

 今朝は晴れ間が見えていたが、今はもう雨が降りそうな気配だ。雲を眺めていると「よくもまぁ、飽きもせずに流れるね〜」と思いたくなるが、同時に刻一刻と変化する雲に心を奪われているのも事実だ。
 
 展覧会を1つ観に行って収穫もあったのだが、それ以上に、会場を出て階段を降りようとしたときに母子に道を譲ってもらったことの方が心に栄養を与えてもらった。『虫眼とアニ眼』で宮崎駿さんが「今の若い人はなかなか子どもを作らないから、いつまでたっても自分のために作品を作ろうとする」、「近所の子どもたちが喜んでくれるように作る」というようなことを話していて(言い回しは違うと思うけれど)、とてもよく理解したことを記憶している。僕も自身の子がいるわけではないが、周りに早婚なども多かったのか、子ども達と遊ぶ機会がちょくちょくあるし、あった。そのことが僕の作ったものを見せるときの態度に大きく変化をもたらしたのだが、やはり、この世の中だ、藝術と呼ばれるものぐらいは、触れた時に「生まれてきてよかった」と感じて欲しいのだ(「生きていてよかった」ではなく)。それは、数値上で表される子どもの数ではなく、直接的に遊ぶ子ども達のことを念頭に置いている。
 
 それは、美術業界においては異質とされる態度なのはわかっているし、ということは(計測していないけれど)絶対数では僕は少数だろう。しかし、絶対に僕の方が強い気がするのは何故だろうか。勝ち負けで言うことでも、何をもっての勝ち負けかはよくわからないが、負ける気がしない。
 
 やはり、今日の収穫は展覧会よりも母子との出会いだ。

システム

2011.6.23

 「お金は水物」だと考えている。財布の中のお金は、(誰でもわかっていると思うが)入っては出て行く。預金は不動のものと思う人がいるかもしれないが、『方丈記』の「行く河の流れは・・・」でも言われているように、全体としての河の流れは変わっていないように見えるが、その河の水は一度として同じ水が流れていない。つまり、全体としての預金額(通帳に記載されている数字)は変わらないものだと思うかもしれないが、その中身は変化している、というよりも、どのお金でも良いのだ。それ以上に、記載されている数字でお金の有る無しを理解し、日本銀行券がお金として使用出来ると理解しなければならないので、財布に入っているお金も預金額も不動の状態にしていたとしても単なる概念上のものだと言える。
 
 それは以前書いた為替相場の話でも触れているのだが、現在、作品のスケジュールと予算をまとめていて、この予算額を「はした金」と捉えるか、「大金」と捉えるかは人によって違うのだ。人が関わる以上、この書類を提出しなければならない立場にいるから書いているのだが、なんだが笑ってしまう話のように思えたのだった。こういう書類事は(職業として)作品を売ったり、クライアントワークスをしていたら頻繁に出てくるが、そういう書類を提出しなければ安心されないシステムの社会だと暗に意味していたりもする。そして日本の場合、最終的には「システムよりも人情よね」という本音を抱きつつ隠すから、齟齬やジレンマを大変な状態になるまで抱えてしまうのだ。
 
 「システムはシステム」として割り切り、気に食わなければ、既存のシステムを作り直すか、違うシステムの場所に行くか、1からシステムを創るかの3つしか選択はないのだが、このような考え方を言うと「冷たいね」と拒絶される。しかし、その台詞に人情はあるのか? と訝しく思うのだがねぇ。

神々しい手技

2011.6.22

 今朝電車に乗っていて、僕の座っている反対側の席の右斜め前に立っていた女性(つまり、僕から見ると左斜めの後ろ姿が見える)が髪を束ねていたのを目撃した。一瞥して気付き、「ずっと見ていると変態みたいだな」と思ってそのまま読んでいた本の続きを読み始めたのだが、動きが長々と続いていることに気付いた。動作の振動が伝わるというのだろうか、とにもかくにも髪を束ねるのに相応しくない動作の時間だと気付いたのだった。再び、彼女に目をやると、束ねるのではなくて、お団子に結わいていたのだった。僕が見ている間も、長くてするりと整えられた髪はあれよあれよとお団子に整形されていき、完成まで僕は見蕩れてしまっていた。彼女の細い指が柔らかく動き、指の動きに合わせて、髪の毛がその整形の道筋しか知らないかのような動きでお団子へと変貌していく姿が美しいと感じていたのだった。
 
 昔から、知人女性などでお団子姿の人を見かけると、中心の(ように見える)窪みに「えいっ」と指を突っ込んでは怒らていたのだが、今朝の女性の手技を拝見して「もっと丁寧に扱わなくてはいけないな」と誓ったのだった。

2011.6.20

 興味深いメールが届いたが、結局、闘いからは逃れられないんだな。