Archive for 2011.11

『春との旅』を観た。

2011.11.23

『春との旅』を観た。レンタルビデオ屋で借りる時はそれほど期待しておらず、冒頭シーンも「演出が喜劇すぎないか?」と訝しく観ていたのだけれども、物語が進むにつれて引き込まれていった。内容もよくあるもので展開も予想できるのだが、「『映画作品』とはこうあるべきだ」と言いたくなるような、そして、最近の僕が一番観たかったタイプの映画だったのだ。作品の中で役者が活きて、些細な演出も抜かり無く、たとえ1カット台詞無しの登場だとしても作中の人物達として生きている、そんな映画だった。

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告知…になっていないな

2011.11.19

MP1のレビューが今月17日発売の『美術手帖』(以下 BT)に載った。届いたBTを手にとってみたら表紙がかっこよく、BTの表紙が良いと思ったのは久し振りで、誰の写真だろうと思ったら…荒木さんだった。「先輩、すげぇな」と舌打ち混じりに興奮した。三宅一生さんが写っている写真を初めて見たけれども、笑顔がとても素敵な人だった。そして、「先輩、すげぇな」と思うんだな。

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怒りの時代が終った

2011.11.13

暗室機材を人に譲り、作業場から暗室道具がなくなった。思えば、暗室を使用して制作をしていた頃は、常に怒っていた。言わば「怒りの時代」である。引伸し機を解体している時も、その面倒臭さからやはり怒りがこみ上げてきていた。最後の最後まで、怒りと共にあったのだと感じた。怒りは狂気を伴う反面、情熱に換えることが出来る。今はどうだろうか。情熱というには静かであり、かといって冷めているとも違う。「真ん中を一点に貫き、良い作品にしたい」ということしか、作品に関わることにはなくなってしまった。朽ちようとも最高速度で最高密度のものを。

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呆れる

2011.11.12

荷物を送るための梱包材を注文したら、梱包材を包んだ梱包材で事が足りてしまった…。結局、注文したはずの巻き段ボールが余ることになり、自分はいったい何を注文したのだろうかと不思議に思う。クレーム対策もあるのだろうが、通信販売を利用すると仰々しいほどの梱包に呆れ果ててしまう。何かを販売する企業側の人間の気持ちもわかるが、販売から運送に関わる人達が自分の仕事・役割について注意を払っていればクレームが生じるような事態にはならないし、その状況でいちゃもんをつけてくる者に対して尽くし過ぎる必要はないのではないか。

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生き物の話

2011.11.10

原研哉さんのサイトを見ていて「人口推移」に関することが記載されており、疑問に思って調べてみたら、やはり同じ時間をかけて人口は減っていくようだ。人口増加の流れと、職業細分化の流れ、大量消費の流れは交わる所があるだろうが、「心の豊かさ」が述べられることも久しくなった今日が、人口減少の流れと重なっているのかもしれない。そう考えて見ると、過去になかったが、いつの間にか増えていった職業が再び消失している可能性は高く、搾取の結果の安価な大量生産・消費も緩和されているのかもしれないが、一方で搾取が加速されれば人口は減りながら貧富の差は広がるのだろう。しかし、その状況は過去の特権階級やヒエラルキーが明確にあった時代に戻っているだけなのではないだろうか。豊かさか、貧富の差か、いや、単純な二言論にしてはいけないのだ。
 
話は少々飛躍するが、僕の話は「理想論だ」と批判を受けることがある。けれどもその場合、批判をしている人には「理想と現実」という考え方が根底にあって、ということは「理想」と「現実」は異なるものという考え方をしているということだ。しかし、「理想」を考えているのは「現実にいる自分」であり、現実がなければ理想はなく、理想を考える自分がいなければ現実はない。と、いうことは、理想はすなわち現実であり、現実はすなわち理想なのだ。
 
話を戻そう。僕は人間の話をするとき、「人は人を憎む必要がない」ということと「全ての人がその人の方法論で幸せになることは出来ないのか」ということを考える。それは、貧富について考える時でも、人や生き物がいなくなる、死ぬというときでも同じだ。

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6年(と2時間)

2011.11.7

 先日、6年振りの女性と会った。会うまでに結果、2時間も伸ばし、待たせることをさせる最低なことをしてしまったのだが、帰るまでの間、懐かしいような懐かしくないようなどこか浮遊感のある気持ちだった。それは、僕がこの6年、正確に言うと生まれてからの今までが、圧倒的に早く感じているということも手伝っているのだろうし、会っていない期間もふとした時に頭に浮かんでいたからだろう。手紙の好きな人で、何度か文通をし、格好良い文字を書く人だった。当時の僕はまだ20歳を超えたぐらいで、彼女は今の僕ぐらいの年齢(…だったはず…違っていたら切腹です…)、朝や昼や夜よりかは夕方が似合う人だった。
 
 そんなことを考えながらシャッターを2度切った。いい作品になると確信した。

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