怒りの時代が終った

2011.11.13日々のこと

暗室機材を人に譲り、作業場から暗室道具がなくなった。思えば、暗室を使用して制作をしていた頃は、常に怒っていた。言わば「怒りの時代」である。引伸し機を解体している時も、その面倒臭さからやはり怒りがこみ上げてきていた。最後の最後まで、怒りと共にあったのだと感じた。怒りは狂気を伴う反面、情熱に換えることが出来る。今はどうだろうか。情熱というには静かであり、かといって冷めているとも違う。「真ん中を一点に貫き、良い作品にしたい」ということしか、作品に関わることにはなくなってしまった。朽ちようとも最高速度で最高密度のものを。

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