Archive for the ‘心の健康’ Category

ビジネスの健康+心の健康+体の健康で不安を和らげるお手伝いをする。

2016.11.1

日本語の「過労死」は「KAROSHI」という英語になりました。私自身も過労死のことを考えることは多くなっています。100時間を超える時間外労働や心無い言葉。それは私も経験しました。人物の性格の良し悪しと知識労働生産性は必ずしもイコールではありません。知識労働生産性の向上は、向上させるためのスキルがあり、人格の問題ではありません(知識労働生産性を向上させた副産物として、人格が改善されることはあります。なぜなら、そちらの方が周囲のパフォーマンスを向上させることに気がつくからです)。つまり、知識労働生産性を上げることは誰でもできることであり、どんな会社でもできることです。
 
通常業務に加えて、社内の仕組みを変える提案もしていた勤務生活。「仕組みを変える提案」の場合は、ほとんどボランティアで動いていました。体を壊したことで「このまま会社に残っていては自分の人生の目標が果たせない」と気づき、仕組みの変わらない会社を辞めました。
 
知識労働生産性を高めるビジネスの健康、頭の中が晴れる心の健康、運動や自然栽培による体の健康。瞑想、ヨガ、自然栽培、グルテンフリーなどを勉強していて分かったことがあります。秘訣は悟り。自然であることです。不自然なものは不健康になり、不安を募らせます。
 
ビジネスにおける不安は「顧客を満足させられるのか? 」「上司や役員を説得できるのか?」「納期までに終わるのか?」など。心における不安は「自分の言動はおかしくないか?」「眠れるのか?」「苦しみがとれるのか?」など。体における不安は「太りたくない」「病気になりたくない」「老けたくない」など。ビジネスにおいても、心においても、体においても、不自然で不健康であれば不安は募る一方です。この仕組みは完全に決まっていて、だからこそ自由になれます。デザインもビジネスもやり方や理論が決まっていて、そのために、多種多様な企業が成功できているのです。生まれてすぐに腎臓病になった私が過労をしても鬱病にならなかった理由は、仕組みを知っているという悟りにあります。
 
私がデザインを仕事にする理由は、より多くの人に、知識労働生産性を高めてもらって、仕事のパフォーマンスを効率良く上げてもらうためです。私がアートを仕事にする理由は、より多くの人に、「こんな方法もあったか」と、いくつもの道があることをひらめいてもらうためです。私が自然栽培やグルテンフリーを薦める理由は、より多くの人に、体に良いものを摂ってもらうためです。ビジネスが円滑に進むとき、頭は冴えています。頭が冴えているとき、体は良く動きます。これはとても自然なことです。これらを広めるために、今の私はあります。
 
私がデザインを仕事にする理由:より多くの人に、知識労働生産性を高めてもらうため。
私がアートを仕事にする理由:より多くの人に、ひらめいてもらうため。
私が自然栽培・グルテンフリーを薦める理由:より多くの人に、体に良いものを摂ってもらうため。

 
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『禅マインド ビギナーズ・マインド』を読んで。

2016.10.21

故スティーブ・ジョブス氏やシリコンバレーの企業でも愛読され、先日取り上げた『Q思考(原題:A More Beautiful Question)』でも引用されている『禅マインド ビギナーズマインド』。一巻と二巻が発刊されていて、2010年に発刊(新書版は2012年)された一巻目が、初心の心をはじまりとして禅の全体像を伝えているのに対し、2015年に発刊された二巻目は只管打坐(しかんたざ)、結跏趺坐(けっかふざ)という、修行の仕方に重点を置きながら禅を伝えている(二巻目は新書版のみの発刊)。
 
なぜ、この本が世界的ベストセラーになっているのか。多くの企業で取り入れ始められているマインドフルネスという考え方。今この瞬間への集中力を高めて、パフォーマンスを向上させやすくなるとして、マインドフルネス瞑想はGoogleをはじめ、Linkedin、Facebook、インテルなど多くの企業で導入されている。導入の先駆けともいえるGoogleのサーチ・インサイド・ユアセルフというプログラムの開発者であるチャディー・メン・タン氏は著書(*)の中で、古来からの瞑想のあり方をこう語る。「瞑想は魔法のようなもの、謎めいたものとは見なされておらず、ただの心のトレーニングだった」。そして、マインドフルネスを練習した人の前頭前野の情動設定値が、情動的知能を高める方向へシフトしたという結果を示した。
 

プラグマティックな禅。

 
前置きが長くなったが、現代社会において「幸せになること」と「生産性(パフォーマンス)を向上させる」ことは密接に結びついている。そして、情報過多となり、ノイズの多い現代社会において、ノイズに惑わされずに集中することが生産性を向上させることにつながるとも信じられている。その一助となるのが、マインドフルネスという考え方であり、瞑想や坐禅だ。
 
古典的に禅をやっている人からすると、この一連の考え方は不純に感じるかもしれない。しかし、著者である鈴木氏は禅の悟りを映画のスクリーンに喩えて、坐禅をすることで汚れのない真っ白なスクリーンをもつことが最も重要と言いながらも、「たいていの人は汚れのない真っ白なスクリーンには興味をもちません」とも言っている。坐禅をし、瞑想をすることで最終的には悟りに気づき、その状態を常に保つことができるようになることで、今まで抱えていた恐怖心や不安はなくなり、平穏な心の状態が維持できるようになるだろう。しかし、人々が注目しているのは悟りに至る前の「集中力が高まる段階」なのだ。
 
現代は極めてプラグマティック(実利的)な時代であるが、『禅マインド ビギナーズマインド』を読んでいると、鈴木氏が伝えていた禅が極めてプラグマティックであることがわかる(以下、引用)。
 
  「初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません」
 
  「周りの人々をコントロールしようと思っても、できません。一番いいのは、好きなようにさせることです。(中略)好きなようにさせておいて、そして見守るのです。これが一番いいやり方です。無視することは、よくありません。それは一番よくないやり方です。二番目によくないのは、コントロールしようとすることです」
 
  「未来は未来であり、過去は過去であり、今だけが新しいことをするときです」
 
  「未来について、固定した考え、あるいは希望などを持っていると、今、ここにおいて、本当に真剣になれません。「明日、やろう」「来年、やろう」などと言います」

 
また、著書の中で度々、師弟関係についても触れている(以下、引用)。
 
  「ときに師は弟子に対して礼をし、弟子は師に対して礼をします。弟子に対して礼をしない師は、ブッダに対してもできません」
 
  「師の話を、透明な、純粋な心で聞けば、まるですでに知っていることを聞くように、それを受け入れることができます」
 
  「人間性のつねなる傾向として、教えを受け取るほうは、なにかその教えは、押しつけられているように聞こえます。」
 
  「…すべての戒律を守ることができないと感じるなら、取り組むことができると感じられる戒律を選んでもよいのです。(中略)まず最初にあるのは、規則ではなく、実際の出来事あるいは事実です。ですから、自分の戒律を選ぶチャンスがあるというのが戒律のもつ性質なのです。(中略)どの方向へ行くかはあなた次第です」
 
  「師たちの間にはどのような葛藤があってもいけません。もしある師が別の師のほうが自分よりも適任だと思うなら、その人のほうを勧めるのです」

 
上記のような師弟関係のあり方や戒律との接し方は、現代における上司と部下、同僚同士の関係性、仕事の受注や選び方にも当てはめることができるだろう。上司が礼を欠いて部下と接すればパワハラのような接し方となり、自己認識ができなければ、自分の能力の限界を超えて仕事をし続け、短期的には仕事の成果は下がり、中・長期的には体を壊して自分の日常に影響がでることになる。
 

私自身の体験を踏まえて。

 
私も前職において残業時間が120時間を超えることもあり、80時間を超えるというのは当たり前だった。私にとって仕事は好きなものであり、「仕事=生活」だと考えていたので、そのときは構わなかったし、苦でもなかった。しかし、それには無理があり、私は体を壊した。その後、私は考え方を改め、仕事を何でも引き受けることよりも、労働生産性を重視するようになり、仕組みが変わらない会社を退職した。鈴木氏が著書の中で言っているように、禅において戒律が合わないのなら、違う戒律を選ぶことは自由なのだ。この戒律を、会社でのルールや仕組みと捉えれば、その会社のルールや仕組みと合わなければ、職場を変えることは自由だし、自分に合ったルールや仕組みのある場所へ進めばいいのである。
 
また、年功序列が生き残っている日本の社会では、「年上」「先輩」「上司」というだけで、その人の話は「重圧」を帯びる傾向が出てきてしまう。それは話す方もだが、聞く方も少なからず感じてしまうものだ。だから、話し手はその傾向を意識して、相手に伝わる話し方を勉強する必要があり、聞く方はその傾向を意識して、相手が伝えたいことに集中する必要がある。
 
それ故、現代日本での「年上」「先輩」「上司」にあたる人は、相手に自分の話が伝わらないからといって「私が言ったからやりなさい」ではなく、「言い方を考える修行を与えられている」と思考を変えた方がいい。それは、自分がそのような立場になってきていて強く感じる部分でもある。クライアントの対応でも同じだが、相手に伝わる話し方を一瞬一瞬で考えることによって、話す内容は論理的かつ具体的になるし、考えるという一瞬の間(ま)によって、自分が冷静になっていくのを感じる。不純なように聞こえるかもしれないが、私はそれを楽しんでいるし、その都度、修行だと思っている。
 
鈴木氏はこのようにも言っている(以下、引用)。
 
  「唯一の道は自分の人生を楽しむこと、それだけです。(中略)それこそが、坐禅を修行する理由です。(中略)最も重要なことは、ものにだまされないで人生を楽しむことができるということです」
 
私も含めて、人は幸せでありたいと願う。幸せは不安とともにあるが、不安をすべてなくすことはできないだろう。しかし、幸せであるときの感覚は知っている。優しく、平穏で、気持ちのいい感覚だ。それを手に入れるために仕事や修行をすれば苦しいものになるが、幸せであるときの感覚はすでにそこにあるもの、仕事や修行とともにあってもいいものだとわかれば、一瞬一瞬が幸福に変わる。それを伝えてくれる本であり、禅という特殊な環境だけでなく、仕事や日常生活での自分のあり方や、上司と部下の関係性にフィードバックを与えることができるビジネス書でもある。
 
*『サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』、著:チャディー・メン・タン、出版:英治出版、2016年
 
 
visual

アートの依頼仕事。

2016.9.28

アート関係での依頼仕事で、先日、襖絵に手を加えることをしました。既に完成されているものに手を加えるのは久しぶりのことで、しかも、珍しい幅の襖で本来なら3枚で使うところを2枚で使っているため、1枚あたりの幅が広く、威圧感さえ感じるものでした。
 
実は、その襖がある家は近々取り壊して、一家で別の住居に引っ越すとのこと。しかし、今の家は、依頼主とお亡くなりになった祖母との思い出がある家であり、描き終わってから知ったのだけれども、特徴的な襖の幅も祖母のこだわりだったようです。
 
偏狭なる賞賛と批判のゲームを降りてからは、こういった依頼が増えています。自己表現ではなく、中庸の道として作品があるべき姿として世に形作られること。亡くなった人との関係性が含まれる作品をつくること。第三者である自分は予測するしかないが、今を生きている依頼者へ、そっと寄り添えるような作品でありたいと思います。

メッセージに込めたもの。

2016.8.1

ホームページのトップメッセージを「How can I relieve your anxiety?」に変更しました。訳すと「どうしたら、あなたの不安を和らげることができるだろうか?」になります。「remove:取り除く」にしなかったのは、最終的に答えを決めるのは、不安を抱えている本人自身であったり、企業だからです。その不安は、「利益を上げることができるだろうか」「株価を上げることができるだろうか」「ユーザーを喜ばすことができるだろうか」「上司を説得することができるだろうか」など色々あります。
 
僕らができるのは、不安の根っこを見つけるのを手伝い、根っこから芽を出させ、花を咲かせようと形を作ることです。「こう育てると、こういう花が咲きやすい」という例を示すことや「こういう花の方が合っているんじゃないか」という提案はできるけれど、「どういう花を咲かせたいか」というのは不安を抱えている本人自身が決めなければなりません。
 
そして、不安が新たな不安を呼ぶように、案外、事業者自身や担当者自身が、根っこに気づいていなかったりします。はじめの頃は気づいていたかもしれないけれど、徐々に、新たな不安の方に注意が向けられ、根っこの部分を置き去りにしていることがあります。
 
僕らのような外部の人間だからこそしやすいのは、根っこの部分に再度スポットを当てるということ。そうすると、負の連鎖として新たに生まれた不安も、正の連鎖として解決できたりします。そして、根っこにある不安は、事業者や担当者が常に抱えるものであるのだから、その不安を和らげる方法を考え、形にするのが僕らの仕事です。そういう意味を込めて、「How can I relieve your anxiety?」というメッセージにしました。