外にいるからできること。

2019.7.10ビジネスの健康, 心の健康, 日々のこと

今日も『しらずしらず』から。
この仕事をしていると、クライアント企業から「うちの会社にこないか」というオファーがあったりするが、その話に乗っからない理由が、この本に書かれている。
「人は、無意識のうちに、自分の都合がいいように選んでいる」ということが一番の理由になるだろう。
デザインに関わる要素が、無意識に購買行動を高める効果についても書かれているが、これらを使いこなす専門家の意見よりも、クライアントは無意識のうちに、自社に都合がいいものを欲し、選んでいるわけだ。
それは意識的でもあるし、無意識的でもある。
そして、クライアントは人であるから、どんなに意識的にユーザー側の視点で見ていると思っていても、無意識に自社にとって都合がいい視点で見ている。
そう、クライアントはユーザー視点を手に入れるのは不可能なのだ。
そして、ユーザーにアンケートをとっても、アンケート内容はクライアントが望むような解釈になり、ユーザーは自分にとって都合がいいような回答をする。
そのユーザーの利益を占める割合が100パーセントならば、そのユーザーに従うしかないが、残念ながら、ユーザーの望みを叶えたところで、そのユーザーが消費者になるとは限らない(大抵は裏切られるので、アンケートを重視する企業はユーザーに翻弄される)。
厄介なクライアントほど、試行錯誤をしてユーザーに近づこうとするが、ほとんどが徒労であり、それが『しらずしらず』には書かれている。
読みながら思っていたのが、これが、ぼくが絶対にクライアントの中に入らない理由であり、クライアントとユーザーの中間的な存在でいつづける理由だ。
フラットな視点で、サブリミナルな効果を駆使するためには、外部にいる専門家であり続けなきゃいけないってことだ。

コメントを書く