リニューアルは命を終わらすことでもある。

2019.11.30ビジネスの健康, 日々のこと

リニューアルをするときの考え方を質問されたので、おそらく答えにはならないだろうと思いながらも、答えたことがある。
 
リニューアルのときの考え方。
それは「人殺しと呼ばれてもやる覚悟」だ。
ぼくは、「覚悟」とか「本質」って言葉が好きじゃないが、この場合はこれでしか言い表せない姿勢だ。
 
リニューアルをするということは、「リニューアルする前」がある。
どんなに出来の悪いものでも、悪いなりに生きた時間があったわけだ。
リニューアルは、それらの生きた時間を奪うことになる。
法の上での人である法人の人生を考えて、切除しなきゃいけない部分や入れ替えなきゃいけない部分がある。
その部分の生きた時間を終わらせ、新しいものを産むのがリニューアルだ。

人によっては「リニューアル前を活かしている」と言うが、それは詭弁だ。
形が変わるというのは、それまでの形の人生を終わらすということ。
些細な変更だとしても、看板を取り替え、広告を取り替え、名刺や封筒類、ユニフォーム、ウェブサイト……様々なものが取り替えられる。
取り替えられたものは、処分される。
処分され、生き続ける時間を奪われたものがいることを、十分意識した上で提案している。
 
この考え方は、ずいぶんと原始的だが、それぐらいリニューアルというのは重いものだ。
それぐらい、法人の人生というのは重い。

まだ再独立する前の頃、ひとつひとつについてこういう姿勢を話していると、「重すぎる」と言われたことがあったが、今となっては、これに共感する人だけがお客となるので、まぁいいか、と思っている。
特にじいちゃん、ばあちゃんが共感をしてくれるというか。
ありがたいことです。

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