漫然と眺める場所。

2019.8.6心の健康, 日々のこと

場所はとても大事だと思っている。
どんな場所でも一定のパフォーマンスを発揮するのも大事だし、100パーセントのパフォーマンスを発揮するように場所を作り変えるのも大事だろう。
だが、これらと同じように、自分とピタッとハマる場所と出会うことも大事だと思っている。
 
そういう場所は職場だけじゃない。
たとえば、ぼくは考え事をするときに、近所のお寺に行く。
お寺の駐車場と、正門へと続く道の中間に位置している広場に向かう。
たまにそこにも車が止まっているから、もしかしたら駐車場かもしれないのだが、その広場にも、お寺に続く小さな入り口がある。
大人であれば中腰にならないと頭をぶつけてしまう、それぐらい小さな入り口と向かい合った端に、石でできたベンチがある。
そこに座って、考え事をしている。
 
視線の先には小さな入り口があり、入り口の先には道が続いている。
道の両脇には林が広がっており、よく手入れされているので、緑が気持ちいい。
石のベンチに座っていると、この時期は蚊に刺されてしまうけれど、それでもやっぱり、考え事をしたいときには足が向かってしまう。
 
こういう場所は、一定のパフォーマンスを発揮する必要もないし、作り変えることもできない。
この場所と自分が、ピタッとハマるかどうかだ。
思えば、ぼくはこういう場所を見つけるのが得意だ。
住んでいるところで必ず、考え事をするための場所を見つけている。
 
こういう場所がないと、今までの作品はなかったかもしれないし、今までの仕事はなかったかもしれない。
手を動かすだけでもなく、上手いことやろうと意気込むのでもなく、ただ漫然と景色を眺めながら考え事をする。
そうこうしている内に、不思議と「あっ」と思いついたりするものだ。

Comments are closed.