運が良かった、打率を上げる。

2019.8.7ビジネスの健康, 日々のこと

人の話を聴いたり、読んだりするときに、「この人の話は信じられる」と感じられる内容がある。
 
ひとつは、「運が良かった」という言葉。
もうひとつは、「打率を上げる」という言葉。
 
人が何かを話すとか書くとかっていうときは、上手くいったことがあったからだ。
その理由を説明するときに、人は「こうしたから上手くいった」と言いやすいが、その方法が100パーセント、誰もが上手くいく方法かといえば、そんなことはない。
その人が同じような状況で、同じことをしたからといって、100パーセント上手くいくとは限らない。
だから、どんなことでも、言葉にできない要因が働いているのだ。
こういうことを正直に「なんでかわからない」と言ったり、「運が良かった」と言ったりするのは、自分が無能だと思われる可能性があり、不安が生まれるものだろう。
だから、人は自分の貢献度を話したがるのだが、ぼくはそういう人を信用しない。
その代わりに、正直に「運が良かった」と話している人を、ぼくは信用している傾向がある。
 
もうひとつの「打率を上げる」という話も似ているが、100パーセント上手くいく話なんて存在しないのに、人は兎に角、そういう方法論があるかのように、成功体験を話したがる。
だが、野球で3割バッターが凄いと言われるように、30パーセント上手くいけば、めちゃくちゃ凄い成果なのだ。
ピッチャーが投げる球は、ストライクにしろボールにしろ、キャッチャーが取れる範囲の、危険球とならない範囲に来ると分かっている。
この限られた範囲に来ると分かっている球でさえ、30パーセントの打率がせいぜいなのだ。
これを、ビジネスの範囲で考えてみたら、打率なんて5パーセントも満たないだろう。
「打率を上げる」という言い方や考え方ができる人と出会うと、この難しさを踏まえた上で、挑戦していると感じ、信じられると思う傾向がぼくにはある。
 
とても大事なことなので、もっと大袈裟に、もう一回言おう。
ビジネスの範囲で考えたら、打率なんてないに等しい。
 
「運の入る器を大きくする」という言い方も、打率を上げる話なんだよね。

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