欲求よりも、姿勢が勝つか。

2019.7.25ビジネスの健康, 心の健康, 日々のこと

「ノウハウがゼロになる」
 
この言葉を読んだとき、「あぁ、そうだよなぁ」と思った。
たしか、ニュースサイトでネンドの佐藤オオキさんが語っていたことだったと思うんだけど(違っていたらごめん)、クライアントの担当者や決定権を持っている人がころころ変わると、プロジェクトがうまく進まない理由について、冒頭の言葉を話していた。
 
プロジェクトというのは、積み木を重ねるようなもので、土台がひょろひょろしたまま高くて目立つ、見た人が「いいね」と言う物体はできない。
この時の「見た人」は「ユーザー」、「いいね」は「購買行動や拡散行動」、「物体」は「プロダクトやサービス」、そして「土台」は、「プロジェクトを進める上での知識や要素」であり、知識や要素の中に「デザインのノウハウ」も含まれている。
このデザインのノウハウをクライアントと共有しないと、ひょろい土台をつくることを選択してしまう。
予算が無限にあり、納期も無期限というプロジェクトはないだろうから、数々の制約条件の中で、最大限の効果を発揮するデザインをつくるためには、ノウハウは不可欠だ。
しかし、担当者や決定権を持っている人が変わると、共有したノウハウはゼロになる。
 
それだけならまだいいが、新任の担当者というのは「自分の貢献度」をつくる欲求もある。
手っ取り早いのが、今までのものを否定して、自分の土俵に持ち込んでプロジェクトを進めることだ。
もっと露骨になると、新任者が、自分の息のかかった人員を用意する(転売屋はこの方法)。
これらは、ノウハウがゼロになるどころか、マイナスになる。
 
だから、担当者や決定権を持っている人が変わると、たいてい、マイナスからリスタートする。
担当者がころころ変わり、マイナスからリスタートすることを何度も続けていれば、プロジェクトは進まない。
これを避けるためには、新任者は以前のノウハウを吸収するところから始めるのがいい。
自分の貢献度をつくる欲求に、「教えてもらう」という姿勢が勝つかどうかが、別れ道なんだろうね。

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