続けることで向くようになる。

2019.7.24ビジネスの健康, 日々のこと

転職相談を受けるとき、今の状態を聞き、そこから考えられる選択肢を列挙するところまでは会話の中でするが、どれを選んだ方がいい、ということは言わないようにしている。
相談者としては、引き止めて欲しいか、辞める背中を押して欲しいのだろうが、辞めるときというのは、誰が何と言おうと辞めるものだし、引き止めて欲しいときというのは、何か交渉を会社としようと腹づもりがあるものだ。
相手には申し訳ないが、ぼくはこの両方の思惑に乗らないようにしている。
相談者がどこまで考えているのか、まだ見つけていない考え方や選択肢があるのかを会話で聞き出し、それを相談者と一緒に見つけていくことしかしない。
その先は、相談者自身が決めるべきことだ。
 
しかし、辞める理由にならないことを、辞める理由にしようと見受けられたら、「それは理由にならないよ」と伝えるようにしている。
頻繁に聞くのは「自分には向いていない」という理由だ。
 
「この仕事は自分には向いていない」と言う人は、どこかで仕事を勘違いしているし、向いているか向いていないかの判断ができるほど、その仕事をやり込んでいないことが多い。
そもそも、どんな仕事でも、最初は誰もが「向いていない」ものだ。
 
ぼくでさえ、デザインや写真ということを仕事にできているが、数えてみたら、写真は17年やっているし、デザインでさえ13年続けているのだ。
今、瞬間的に分かることやできることも、1年目のときは思い浮かばなかったし、できなかった。
できたとしても時間がかかっていた。
1年目のときに、この仕事が向いているかどうかの判断をしなければならないのなら、「向いていない」と言わざるをえなかっただろう。
それを、我慢して、努力して、続けることで、ちょっとずつ「仕事に向いている」ように自分を仕向けてきただけだ。
どんな仕事でも、続ければ「向いている」ように、頭と体が変化してくる。
 
これが分からずに、「自分には向いていない」と言って、仕事を辞める人は、たいてい転職を繰り返しているし、キャリアダウンしているように見受けられる。
続けなきゃ分からないことだって、あるもんだ。

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