性能は木、業績は森。

2019.7.1ビジネスの健康, 日々のこと

新しくカメラを買うとき、カメラメーカーの業績を見る。
木と森で喩えると、木はカメラの性能で、森は会社の業績だ。
ぼくらがカメラを使うのは仕事の現場であり、長く使う。
カメラを買えば、レンズやフラッシュなどの関連商品も必要になる。
関連商品はカメラの上位互換にモデルチェンジしても使える(ことがほとんど)ので、カメラよりも長く使うことになる。
つまり、カメラメーカーとの付き合いは、とても長いものになる。
ここで業績を見ることになる。
 
カメラは先細りが予測される事業分野だが、ここに頼りきっている会社だと、今後長い付き合いをする上で、とてもリスキーな関係になる。
例えば、大々的に発表された新ジャンルのカメラが、急に終了したケースもあり、ジャンルの終了は関連商品の終了やアダプターなどの追加が必要になることが常だ(写真におけるフィルム関連の衰退を参考にすれば尚よく理解できるだろう)。
そして、事業が衰退し始めると、一発逆転を狙おうとするが、大抵、狙う分野と狙い方を間違う。
そもそも衰退し始めたことで、今までのような研究開発は不可能になっている。
それが、他の事業の収益とカメラ事業の収益が好調であれば、研究開発費を捻出することができる(他の事業が好調でも、カメラ事業が不調であれば、研究開発費が下がる可能性は高まる)。
 
たとえば、ぼくが現在使用しているフィルムカメラと同じように使用できるニコンDfの後継機は「Dfがもっと売れたら後継機の開発投資をする(要約)」というニコンと、一方で、フィルムマーケットの復活はないと予測を立てながら、ユーザーの声とマーケットの動向をキャッチしてモノクロフィルムの発売を再開させる富士フィルム。
戦略の方向性の違いが、顕著にでている。
 
そうやって考えると、新しくカメラを買おうとすると、ソニーか富士フイルムになるんだよなー。
カメラ事業が黒字化した富士フイルムも面白いけれど、今後の戦略を読んでいると今までとあまり変わらなそうだし、デジカメ=デジタルイメージングと考えると、ゲームネットワーク事業と音楽・映画事業のあるソニーの方が、今後の戦略に夢がありそうなんだよなー。
カメラユーザーがプロダクションに、動画やスチール素材を販売することもできたら夢があるじゃん(写り込みや権利問題は考えてないけど)。
でも、富士フィルムの場合で考えると、カメラ+レンズの重量が今よりもマイナス500グラムはいけるんだよねー。
標準ズームは富士フィルムの方が使いやすそうだし。
画質はソニーも富士フイルムも別方向に向かっているが、どちらも好みの振り方で、使いこなせるだろう。
だから、すごい迷っている。
 
カメラの性能が木だとするなら、会社の業績は森だ。
木を見ながら、森も見る。
そんなことを考えると、消費は投資になる。

コメントを書く