強い言葉と弱い事業。

2019.2.2ビジネスの健康, 日々のこと

先日、「挑戦」という言葉を使ってしまったが、ぼくはこの言葉があまり好きではない。
理由は、多くの人たちが、この言葉が持つ甘美さに、酔っていると感じるからだ。
これ以外にも、「社会貢献」や「自己実現」なんかも、似たような甘美さがある。
これらが悪いこととは思わないし、実際に素晴らしいことだと素直に思う。
 
しかし、これらの言葉を使っているとき、この言葉の持つ甘美さで、ほかの悪いことを帳消しにしているフシがないだろうか。
大抵は、自分や誰かに無理をさせるときに、この言葉で誤魔化している現場が多いのではないだろうか。
昔、事務所に勤めていた頃、社長が持ってきた社会福祉施設の案件で、バックレを経験したことがある。
バックレとは言わないが、あの頃のそういった案件は、事務所のスタッフを無駄に疲弊させるものが多かった。
そして、ぼくの見た限りでは、笑いながら、これらの言葉が使われることは少ない。
 
けれど、そもそも事業というのは、本人がやりたいからやっているだけだ。
結果として、挑戦になっていたり、社会貢献になっていたりするだけで、やりたいことをやる上では、どの仕事も同じだ。
単純作業でも、知識労働でも、危険が伴う仕事でも同じのはずだ。
乱暴な言い方をすれば、やりたいことが、犯罪じゃなくてよかった、とすら思う。
少なくとも、こう思っていると、他者に無理強いをするってことは減る。
 
弱い事業ほど、強い言葉を使いたがる。
弱い言葉で伝わることが、本当は強かったりするんだよなぁ。

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