白洲さん家。

2018.11.12日々のこと

鶴川で見学できる白洲次郎さんの家、「武相荘」に行ってきました。
正直に言うと、白洲次郎さんのことを、ぼくはよく知りません。
政界と経済界で活躍した、テレビドラマにもなった人という認識でした。
 
なので、途絶えることのない観光客と遭遇したときには、正直以外でした。
若い人はほとんどいないにせよ、なにが人を惹きつけるのか。
家の事情で大学院を諦め、戦争にも参加せずに、東京都心から外れた郊外で農作業をしている人だった。
そんな人に皇族が会いに来たり、敗戦後には吉田茂さんに協力を要請されたり、人物史だけを見ていると不思議でなりませんでした。
 
当たり前ですが、白洲次郎さんとぼくは会ったことがありません。
だから、想像するしかないのですが、彼を突き動かし、判断させていたプリンシプル(原理)はよくわかります。
その強度もよくわかります。
これが人々を惹きつける魅力にもなっていたのだと予測もできます。
 
ただ、仮に現代にこのような人がいたとして、表舞台に立たないで、急に表舞台に立つようなことがありえるのだろうかと、考えてしまいました。
死後も、数々の人が魅了される人が現れるのだろうか。
現れないから憧れる、ということもあるでしょうけどね。
まぁ、おそらく、無理でしょう。
たとえ表舞台に立ったとしても一瞬です。
一瞬のライトを浴びた後は、醜い争いが起きるのが現代です。
 
こんなことを考えていたら、気づきました。
当の本人にとっては、関係ないんだ。
醜い争いのなかにいなきゃいいんだ。
それが、戦争に参加する都心ではなく、郊外の農地だったんだ。
そうだ、目利きとしての力を伸ばし、家を作るように、畑をつくるように形にしていけばいいんだ。
そうであれば、今までの生き方と変わらない。
舞台はどこでも同じだった。
白洲次郎さん、ありがとう。

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