ブランディングが必要ない場合。

2018.7.24ビジネスの健康, 日々のこと

最近、書く内容が前日のつづきであることが多いですが、今日もそんな流れになっています。
昨日は「デザインをする必要がない場合」について書きましたが、今日は「ブランディングの必要がない場合」についてです。
 
先に答えを言っちゃうと、「事業価値を向上させなきゃいけない症状と、伝え方や売り方が間違っている症状は、まったく別の症状」ということです。
前提として、ブランディングとは何かって話になりますが、「デザインの力で事業価値を向上させること」をブランディングといいます。
本当はすごい価値があるのに、あんまり価値が高そうに見えなかったモノを、デザインの力でなんとかする、そういうことをひっくるめてブランディングと言います。
 
ということは、何にもしなくとも「価値が高い」と思われているモノには、ブランディングって必要がないんですよ。
たとえば、「高級な工芸品」とか、「文化財」とか。
こういったモノを作っているヒトからも、ブランディングの相談を受けることがありますが、一般のヒトたちの認識でも、すでに事業価値は高いと思われています。
 
むしろ「高すぎる価値」なんです。
だから、この高すぎる価値を、一般のヒトたちでも手が届くぐらいの価値にすることが、本当は必要なんです。
 
それは、売り方や伝え方です。
飛行機のエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスがあるように、手に取りやすくなる入門品というのを、本場の技術で提供することができたら、今までの高すぎる価値も、高すぎる理由がちゃんと伝わるようになります。
しかし、今日の工芸品と生活者の関係は、エコノミークラスすら乗ったことがないヒトに、ファーストクラスの価値を想像しろと言っているような状況です。
だから、まずは、高いレベルのエコノミークラスに乗ってもらって満足をさせつつ、「もっといい思いをしたい」という欲求を芽生えさせる。
 
めちゃくちゃ単純化して話しましたが、これが「売り方」や「伝え方」です。 
そして、ブランディングが必要ないケースのひとつの事例です。
売り方と伝え方。
こういうことも、依頼人に伝えなきゃいけないと思うんですよね。

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