過去と今

2014.4.12日々のこと

当り前の話だが、ファインダーを覗いてみると、目だけで見ている様子と異なって世界が見える。狭くなった分、情報が整理されたようにも思われるが、視野が狭くなって自分が捉えたいものを狙っているのだ。その後、プリントをしてみると、ファインダーで覗いた以上に現実と異なった世界が現れていることに驚くとともに、余計なものが写っていることに落胆する。それが、写真の始まりだった。
 
いつしかこれらのプロセスは、「作品をつくること」として括られ、自分の頭の中で描いた世界を実現するために、ファインダーから狙いを定めるかのようになっていった。現像からプリントまでのプロセスも、その世界へ一歩ずつ近づくために集中力を鋭くさせていき、思い描いていた世界からの乖離を許さなくなっていった。
 
しかし、iPhoneで撮るようになってから、乖離さえも楽しめる余裕が生まれ始め、今、ファインダーを覗いて撮る行為は、仕事とはいえ、楽しさが混ざっている。

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