強い人間

2014.4.6日々のこと

デヴィット・フィンチャー監督作「ファイトクラブ」を、久し振りに観た。たしか、初見は高校生の頃であり、「二重人格の話か」と思っていた。しかし、最近気になったので再び見みると、今の日本を風刺しながら、個人の肉体へと還っていく欲望を、的確に描いている映画だった。
 
ライフスタイルを謳って物を買わせる大企業、それを知りながらも遅れを取らないために買う消費者。口論や激励はしても、拳の痛みを伴う喧嘩をしない人々。そして言う——「お前は物に支配されている。」
 
その後、生活の空虚さを埋めてくれる場所を提供してくれる主人公達に、人々は追従していく。仲間が一人死んでルールが増えていく様は宗教のようだが、それでも、それぞれが単独で動いていく組織は強い。
 
こういう組織を作りたいのか、それとも、物に支配されない生き方を選ぶだけにとどまるのか。ただ、ルールがありながらも単独で動ける組織は、別のことで使えれば、とても有益だ。

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