微か

2013.1.11日々のこと

あれが完成しているのかもしれない。ここ数日は作品の前にいるだけの時間が増えた。手は動かず、静かに対話をして時間が過ぎている。もしそうだとしたら、約束を果たさなきゃいけないだろうな。何も憎む必要がなく、何に怒る必要もないことを教えてくれた。俺が生まれた理由を教えてくれた作品たち――その先にいる人との約束だ。自分が望めば、今日も世界は美しい。
 
作業から離れ、丘の上にある樹々とベンチだけがある公園で、しばらくの間、自然の音を聞いていた。鳥のさえずり、絨毯となった落ち葉や樹々のすれる音など目立つ音から始まり、枯れ葉が落ちる音など静かな音へと移る。その移りは、自身の音でも同様であり、呼吸する音、唾を飲み込む音から始まり、関節の音、筋肉の音へと移り、最後に心臓の音が聞こえてくる。自分が聞く態度を持てば、今日も世界は雄弁だ。

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