『働き方1.9』を読んだ。

2020.1.7おすすめ, ビジネスの健康, 心の健康

ヒロシさんの『働き方1.9 君も好きなことだけして生きていける』
昨年の11月ぐらいに読んだけれど、考え方がだいぶ近く、ぼくに何かを相談したことがある人なら、一度は言われたことがここでも読める。
 
特に「ヒロシです」のネタを芸人でもない業界人が「もっとこうしましょう」と修正し、その結果スベっても何の謝りも責任もとらないくだりと、「(引用)やりたくもないことをやったりすぐらいなら、無理をせず好きなことを自分のペースでやっていったほうがいい」はその通りだ。
 
ぼくらの仕事も、素人であるクライアントがあーだこーだ言ってはクオリティを下げ、その結果、利益が出なかったらぼくらのせいにされる。
なるべくクオリティを担保しようと努力して、利益が出たとしても、手柄はクライアントになる(特にマーケティング)。
だから、サンポノ開始時に、「こんなくだらないことをするぐらいなら仕事はしない方がいいし、それで暮らしができなくなるのなら自殺をしよう」ということを決めた。
 
その代わりと言ったらおかしいが、提案のレベルは事務所に勤めていたときよりも質も量も多くなっている。
これは、事務所内の人たちに余計な確認をしなくていいからだ。
ぼくの時間を奪い、クオリティを下げるのは、外にいる人間だけでなく、内にいる人間も当てはまる。
その人たちと余計なやりとりをすることもぼくのコストになるし、経営者の視点から言っても大きな人件費だ。
これについても、先ほど挙げたヒロシさんの本に書かれている。
コストと言うと、お金のことに意識が向かいがちだが、コストには「お金」「労力」「時間」「感情」の四つがあり、それぞれを足したものが本当のコストとなる。
これについては、二十歳の頃からぼくは友人たちに説明している。
 
ちなみに、ぼくの優先度は「感情>時間>お金>労力」だ。
何よりも自分の気持ちである感情を優先し、やりたくないことはやらないようにしている。
けれども、やりたいと思ったことだったら、新米がやるようなことも率先してやっている。
玄関前の掃除なんかもそうだ。
家の前が汚いのは仕事をする場所としてどうかと思っているのは自分なので、玄関前の掃き掃除は自分で行い、ついでだからと両隣の家の前も掃除している。
 
仕事の提案で実際に作ってしまうのも、この掃き掃除と同じ感覚だ。
絶対にいいと思って、相手の喜ぶ顔が浮かぶから、さっさと作って提案してしまう。
このときの労力や時間やお金はマイナスだが、感情はプラスだ。
そして、おもしろいことに、こういうことが積み重なると、マイナスだったはずのお金はプラスに転じる。
海老で鯛を釣ると言ったら失礼かもしれないが、ぼくにとってのやりたいことは労力としては小さく知覚されるのに、それが利益を生む。
 
事務所勤務時代は感情も時間も労力も犠牲にしているのに、低賃金で働き、安い食事をとっているのにお金も貯まらず、そして体を壊した。
「感情>時間>お金>労力」のコストについては二十歳の頃に気づいていたのに、事務所勤務時代のぼくはこれを実践できずにいた。
大事なことを忘れていたし、独立後、その事務所やそこで関わっていたクライアントが仕事をくれたことはない。
よく質問されるが、独立後の仕事はすべて新規の仕事であり、ぼく自身は営業をしていない。
独立するときには何の算段もなかったが、このまま死んだら確実に後悔すると思って辞めた。
それでも、なんとか3年はやってこれた。
これは本当に運がよかったと言うしかないし、お客さんに貢献できている今、色んな人に感謝の言葉しかない。
 
自分の感情を大切にすると、周りにいる人たちの感情も大切にするようになる。
それはお客さんもそうだし、家族に対してもだ。
海外で大きな賞も獲ったし、それでお客さんへの貢献もできた。
提案で実際に作ることで、クリエイターとしてのレベルも上げることができる。
しかも、忖度など必要がないから、素早く、クオリティも下がらない。
それもこれも、感情を優先するからだ。
ちょっとぼくの言葉だと信用できない人もいるだろうから、そんな人は是非、ヒロシさんの『働き方1.9』を読んで欲しい。

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