合理的で信じる街。

2019.11.7ビジネスの健康, 心の健康, 日々のこと

ぼくもだいぶ緩急のある人だと思っていたが、ベルリンはそれ以上だった。
日曜日は基本的にすべて休み。
だから、開いているスーパーマーケットは、入場規制がかかるほどの行列(日本の長蛇の列ほどじゃない)。
でも、店舗内はぎゅうぎゅう詰めではなく、ゆとりを持って買い物をしている。
 
これを日本に置き換えて想像してみる。
他のオーナーA「他のお客様のために、うちもオープンしよう(本当は儲けたい=欲望)」
他のオーナーB「あそこもオープンしたぞ、うちもオープンしなくていいのだろうか(不安)」
他のオーナーC「あそこもオープンしたぞ、うちも乗り遅れるな!(便乗)」
他のオーナーA「あれ、儲けが少ないぞ、日曜セールをしてお客様に喜んでもらおう!(儲けたい=欲望)」
他のオーナーB「あれ、セールをやっている店があるぞ。うちはできないから目立たせよう!(欲望)」
という具合だ。
 
これがベルリンの街中を歩いていると、他店舗なぞどこ吹く風。
店舗それぞれに、自分たちのアイデンティティがあるようだ。
時間になれば閉まるし、休みをしっかりと取る。
残業するのは上司のみ(帳簿付けをやっているようだった)。
調べると、従業員に残業をさせたら、その分休ませなきゃいけないことが法律で決まっているらしい。
破った経営者や上司は罰金や禁固刑。
つまり、めちゃくちゃ重い。
破る方が、合理的じゃない。
 
割引券や交通機関の乗車券も、人数分見せる必要がなかった。
一人見せ、もう一人が券を出すのに手間取っていると、「信じるよ」と言って、さくっと乗せてくれた。
美術館でも同じ。
ここで時間を取ることの方が、合理的じゃないんだろう。
乗車券は打刻しないと罰金なるが、改札はなく、ホームにある券売機では必要な人は買っているようだった。
つまり、罰金を支払うことも、いちいちチェックするのも合理的じゃないってことだろう。
 
日本の時間当たり労働生産性は20位(2017年OECD加盟36国中)、ドイツは7位。
一人当たりの労働生産性は日本が21位で、ドイツは13位。
「Trust you」に、違いを見せつけられたな。
 

写真は「隣駅が書いていない駅名表示」と「四辺がボロボロの巨大広告」。
ここからも合理性が受け取れる。

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