凄い先輩たち

2010.11.7日々のこと

 たばこと塩の博物館「和田誠の仕事」展へ。温かみとユーモアがあるが、それでいてピリッとする色と色の境界線。現代が「ヘタ上手い」が流行っているとして、大抵の人が単なる下手で終ってしまっているのとの違いはここなんだろうな、と思いながら観ていると、和田さんが作業している現場を録ったビデオが流れている空間にやってきた。ビデオの内容は学芸員(?)と話しながら作業が進むのだが、僕が気になったのは和田さんの手だ。筆を握り、鉛筆を握るその手は、皺があり、肉付きがよく、絵を描くためにあるような手のように見えてしまったのだ。長年描き続けた人の手なのだろう、先日観た「ドガ」展と同様に、残ったものの深い強さというのを感じるこの2週間だった。

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