静かに、深く・・・

2010.7.17日々のこと

 たった1枚、しかもその展示環境は煩雑になるであろうと予測される中、打算的な考えも浮かぶが、全力を尽くし、観客のことも考えてしまうのはもう性分というしかないだろう。ある意味において、他者や環境なんてどうでもいいと思い、いつも自分を超えるために全力を尽くせるかどうかの方が、重要であると考えている。そのやり方や性質は、時には激しくもあったが、今は静かに深く、という感覚の方が強い。

 しかし、それは同時に、身体や魂といったものが消えていく感覚もしているのだが、悲壮感というのは全くなく、落ち着いて「真ん中」の状態のようだ。作品に動かされる感覚、作品と闘う感覚など様々な感覚と共に生きてきたが、この感覚は静かだ。ただ、「良い」ということはわかっているのだが。柔らかく、静かで・・・。

 それと共に、「野心や欲がある時の方が幸せだったのだろうか?」とも疑問が生まれたのだが、「売れること=幸せ」と語る若手や軽い中堅、嘆く年配の話を聞いていても、自分とは違う話をしているのがわかってしまう。と、いうことは、「自分は現代の作家として生きていないということなのだろうか?」と疑問が生まれるが、たとえそうだとしても、やることは同じ(作品を創ること)なのだから、重要なことはわかっているのだ。作品を創る、重要なことは作品が教えてくれる。全ての環境は、自分次第なのだ。たとえ、それが作品であり、自分が消えようとも、喜怒哀楽がなくとも、穏やかだ。


 ※safari4.1になってから段落毎に1行分のスペースが出なくなりました。わざわざタグで区切っても出ないというのはどういうことやねん、と思いながら、「まぁ、しゃあないか」とも思っています。

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