言葉を扱う。

2019.3.17ビジネスの健康, 日々のこと

何かのサービスや商品をはじめて購入するとき、冷やかしの気持ちがほとんどなのではないだろうか、と思った。
少し耳障りよくすれば「試してみる」だが、「どれどれ、そこまで言うならちょっと試してみようか」というのは、冷やかしとも言えなくはないだろう。
そして、試した結果、書いてある以上の感想を抱いたら、その後も購入してみるし、同じ店の別のものを試してみる。
これはサービスでも、製品でも、料理でも同じはたらきがある。
 
こういうことを考えた背景には、最近のコピーライティングって、コピーライティングになってないよな、というところからだ。
多くの人が、説明書きをしているだけで、コピーライティングを書けていると勘違いしていたり、「こだわり」「丁寧」などの、自社が言うべきでない単語が並んでいる制作物を見かける。
私たちが言葉を扱うとき、説明をしながら抽象度のコントロールをしている。
ボディコピーで書ける内容をキャッチコピーで書く必要があるのかなどを、多くの人は理解しないまま、言葉を使っている。
 
広告物を作る際、見る相手が「なに?」と、立ち止まることが必須となる。
「実際に自分だったら購入する気持ちになる」というところと、「どんな気持ち、どんなシチュエーションにおいて打率を高めるのか」を推敲している。
「売りたい欲望」を持ったまま言葉を扱うと、下品な言葉が並ぶ。
だから、依頼人が言葉を考えてはいけないのだ。
日本語で話せるからといって、言葉が扱えるとは限らない。
ま、これはデザインやクリエイティブのすべてに言えるんですけどね。

コメントを書く