プラネタリムの語り部。

2019.2.11日々のこと

家の近所にプラネタリウムがあるおかげで、星空を見る頻度が上がった。
人工的な星空ではあるけれど、きれいなものはきれいだ、そう思わせてくれる魅力がある。
そうやって思わせてくれるひとつが、プラネタリウムで投影される星空の解説だ。
解説は録音ではなく、スタッフが生でやってくれる。
だから、噛むときは噛むし、聞きにくいときもあるけれど、淡々と解説するのではなく、それぞれの「好き」を盛り込んだ解説なのだ。
スタッフの特徴が随所に見られる、さながら噺のような解説。
だから、聞いていると星が好きなのが伝わってくるが、押し付けがましくはなく、自分もはじめから星好きの要素があったかのような錯覚さえ抱く面白さがある。
「あぁ、魅力が伝わるってこういうことだ」と、ジャンルは違えど、伝える仕事をしていて、とても勉強になる。
最近の世の中は、要点としてメリットを伝えがちになったり、それができないものであれば大げさなスケールに仕立て上げたり、社会的貢献という正義の使者として伝えようとする傾向があるが、そんなことをしなくても「いいものはいい」と伝えるための大事なことを、このプラネタリウムでは教えてもらえる。
星空の魅力を壮大なスケールとして熱弁されたら、おそらくぼくは引いていただろう。
けれど、近所の星空の語り部たちは、星の魅力をただ伝えているだけで、なんて星が好きな人たちなのだろうかと、思わせてくれる。
ちょっと乱暴な言い方になってしまうが、星を見ることにメリットはないだろう。
しかし、星空は綺麗だ。
「それって、とてもいいことじゃん」と思わせてくれる、そういう魅力の伝え方があったのだ。
天然の満点の星空も素敵だけれども、プラネタリムもいいもんだぜ。

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