NAOTの靴。

2018.12.22おすすめ, 日々のこと

靴を磨いている人が好きです。
 
二足ある仕事用の靴のうち、ヌバックレザーの靴が、どうにもこうにも汚れが取れなくなってきたので、新しい靴を見に蔵前に行きました。
冒頭の一文は、電車に乗っていて、真向かいに座ったおじいさんの、手入れをされている靴を見て思ったことです。

ぼくは自分で靴を磨きます。
磨けてない月日が長いと、忙しさにかまけている自分を内省します。
どこか所在無げな靴を、暗がりの玄関で見つけては、「あぁ、ごめんよ」と申し訳ない気持ちになります。
 
自分のことだけであれば、靴を磨く必要などないはずです。
モノは、どれだけ手入れをしても、買い換えるしか術のない状態になります。
自分だけであれば、ボロになって買い換えるのが、早いか遅いかの違いだけです。
 
どこかの本で見たのか、人から又聞きをしたのかは忘れましたが、「おしゃれは人のためにするもの」という言葉と出会ったことを、いま思い出しました。
靴の手入れをするのも、同じだと思います。
少なくとも、同じ部分があると思います。
 
自分色になった履きジワに、手入れをされた艶やかな革。
おろしたてのピカピカの光沢とは、また違う趣があります。
手入れをされた靴には、履く自分の他に、その人をみた相手も気持ちよくさせてくれる魅力がある気がするんですよね。
 

そうこうしているうちに、蔵前につき、昼食を済ませ、靴屋さんに向かいましたが、入り口まで行って、一度引き返して川沿いに行きました。
しばらく日光浴をしながら、考え事をして、腹を落ち着かせて、もう一度靴屋へ向かいました。
 

お店の名前は「NAOT(ナオト)」さん。
ヘブライ語で「オアシス」という意味で、店内は靴が整頓されて並んでいます。
すでにネットでめぼしいものを見つけていたので、その靴を見つけて、さっそく試着。
小さいのに甲高なぼくの足、やはり、ぴったり合っている感覚はしていません。
 
けれど、驚いたのは、その後。
「調整しますね」と店員さん。
インソールをすすすーと調整。
三度目のフィッティングで、すんなり収まるぼくの足。
 
もうね、マジックとしか言いようがない体験をしました。
靴って気持ちいいんだぁ。
 

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