伝える役割と売る役割。

2018.12.13ビジネスの健康, 心の健康, 日々のこと

「昨日はシリーズ」になってしまっていますが、昨日は「アーティスト」のことにも触れました。
学生を卒業した直後から数年間、ぼくは写真家、つまりアーティストでした。
ギャラリーに所属して、作品を作って、展示をして、作品を売って、稼ぐ。
これがアーティスの生計になるのですが、もうね、経験が早すぎたんだと思います。
 
当時のぼくは、学生のうちに写真家としての賞を受賞して、卒業と同時に、ギャラリーに所属しました。
所属したと言っても、毎月給料が出るわけではないし、所属するのとしないのと差は、展示するために、お金を払わなくていいぐらいなものです。
その代わり、作品が売れた時の手数料は50%取られちゃうんですけどね。
ギャラリーはこれで生計を立てるから、作品を売るのが彼らの仕事です。
アーティストが展示をするための場所代を払って、そのお金で生計を立てるギャラリーもありますが、そことの違いは、ギャラリーとしての知名度や箔のようなものです。
狭い業界なので、あんまり意味がないんですけどね。
これを知るのも、所属して身をもって体験したからです。
 
どうしてここまで辛口になれるのかというと、この役割分担がちゃんと分かれているギャラリーとアーティストを、ぼくの知る限り、見たことがないからです。
というのは、作品が売れる時って、だいたいアーティストがギャラリーにいるときですし、そのときは、だいたいアーティストはトークショーなどに駆り出されているわけですから。
つまり、アーティストは作品を作る以外に、売る仕事もやっているわけです。
 
もうね、こうなってくると腐るわけです。
「俺が作って、俺が話して、俺が売ってるんだから、もっと良いイベントとかアートフェアの場所を取ってこいよ」みたいなね。
いまのぼくも人格が優れているわけではありませんが、当時は嫌な奴だったと思います。
 
そのときに学んだのは、「伝える役割と売る役割はちゃんと分ける」です。
 
ひとりの頭の中で役割分担を分けるのもいいですが、二人以上の人がいるのなら、役割分担はきっちり分けた方がいいです。
クリエイティブという仕事は両方の頭を持つ必要があるので、実際に今は頭を切り替えながら、ひとりでやっています。
 
ぼくが展示をしなくなったのって、「売るを作る」を本気でやろうとしているギャラリーがいないと気づいたからです。
事務所となる場所を探しているとき、やっぱりね、展示ができることも大事なんだなーと気づいたしだいです。

コメントを書く