こころの師、ヘルムート・シュミット氏。

2018.9.22日々のこと

ヘルムート・シュミット氏の訃報を知った。
今年の7月2日に亡くなったそうだ。
 
以前、ある依頼人から「柔らかい表現でも、しっかり作っている感じがする」と評価してもらったことがあるが、タイポグラフィに関して言えば、シュミット氏と彼の師であるエミール・ルーダー氏の影響を、私はかなり受けている。
ポカリスエットを好んで飲んでいるのも、このデザインの秀逸さに惚れた、いわば「ジャケ買い」だ。
 
亀倉雄策さんや田中一光さんたちのような、本質的なデザインが見る影もなくなった日本のデザインに暗澹たる気持ちでいたなか、私に光を与えてくれたのはシュミット氏とルーダー氏のデザインだった。
 
その後、私自身の師匠と出会うことで実践の場を提供してもらい、本質を考えるだけでなく、本質を形にすることの力をつけてきた。
シュミット氏と出会うことはなかったが、「そもそも、本質とは何だろうか」と考えることをしているのも、彼らの影響があるだろう。
 
来年からは自分の誕生日の度に、シュミット氏のことを想うのだろうな。
 

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