たのしい依頼人。

2018.8.1ビジネスの健康, 日々のこと

こういう仕事をしていると、ごく稀に、すごい依頼人と出会います。
デザイナーになっても成功するだろうな、と思える依頼人です。
 
こういうヒトの特徴として、「色々な参考文献を持っている」ことが挙げられます。
文献だから論文や資料もそうですが、全然関係ないと思われるところから、参考資料を持ってこれるのです。
 
たとえば、文房具の仕事なのに、昆虫の生態から考えることができるとか。
ま、これはかなり飛び道具的になっちゃいますが、誰にでもやりやすいのが、自分の業界とは別の業界で優れているモノと比べることです。
たとえば、スポーツ業界であれば、IT業界で優れているモノを参考にするとか。
(ありますよね)
カメラ業界から、化粧品業界のことを考えてみるとか。
(これもありましたよね)
 
これと真逆で、ロクでもない考えに陥るのに、多くのヒトがやっているのが、競合を比べることや、学術論文には到底及ばないマーケティングデータをこねくり回すことです。
競合と比べたところで、その製品やサービスがなくなったときに、本当に困るヒトはいないのです。
ヒトが困るまでなくすには、業界自体をなくさなければなりません。
ま、それは極論ですが、身近な例では、電車の改札機の切符を通すレーンを減らせば、切符だと困るので、ICカードが増えるとかね。
 
なので、競合他社と勝ち負けを競うのではなく、本当は「その金額でできる価値あること」と競わなくてはならないのです。
これを考えるためには、業界の外に目を向ける必要があります。
しかし、それが分かるようになるには、自分のやっていることに疑問を持たなければならない。
「本当に意味があるのか?」「本当に必要なのか?」と自分に疑問を持つことで、外に目を向けられるのです。
 
これができる依頼人との打合せは、時間が何時間あっても、面白いものです。

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