マリアナ

2014.2.14日々のこと

「ラファエル前派展」を観てきた。彩度の低さや、女性の肌の質感などが、現代(いま)っぽい写真の匂いを感じるのだ。そのことが気になって、今更感のある展示を見に行った。

結果は「当たり」だった。

反骨にも関わらず、伝統を好んでいる点や、結局は当時の従来の手法から脱却しきれていない点など、先に上げたトーンとともに現代に通じるところがあった。

また、ミレイ作「マリアナ」の美麗さは時代を超えていた。許嫁に逃げられ、刺繍仕事をしながら日常を過ごすしかないマリアナの、日々を諦めるしかないにも関わらず保てる美しさ。当時、許嫁を持っていたことの家柄にありながら、財産と許嫁を失った女性が、反骨だけで生きられると考える方が無理があるだろう。くたびれた体と心が醸し出す妖艶さは、マリアナを救い出すことが出来ないことに悔しさを抱く一方、この美しさを今暫く見ていたいという欲求が葛藤する。

そんなことを感じながら、歴史を感じていたのだった。

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