お国柄

2012.8.21日々のこと

遅ればせながら、『これからの「正義」の話をしよう』(著:マイケル・サンデル、訳:鬼澤忍)を読み始めた。まだ途中だが、過去の哲学者の考えを現代の例文に当てはめたり、市場経済に触れながら読み進められるので、コストパフォーマンスが高い本だと思った。
 
むしろ読んでいて興味深いのが、日本人の「当り前(偏見)」とは少々異なるところだ。例えば、「正義をめぐる議論が白熱すると、たいてい市場の役割の話になる(p.100)」、日本でこのような議論があれば、「市場の話」→「正義の話」に展開され、最終的にうやむやになるのが常だ。つまり、サンデルさんの国とは議論の順序が逆になる。本文は日本語に訳されているから訳者による影響があるのかもしれないが、こういう違いを発見することが面白い。
 
「当り前」とされていることへ疑いを持つことに不慣れな人に、この本は薦められる。
 
関係ないが、飯田橋から後楽園の間でめちゃくちゃ美味しい中華そばを食べた。ほっとして、スープを最後まで飲み干せる中華そばだった。幸せな一日だ。

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