ジョグ

2010.11.21日々のこと

 

 筋トレやストレッチは以前からしていたが、走ることを再開した。速筋を鍛えてから、遅筋を鍛える。

 

 学生時代、男だったら誰でも憧れる(?)「最強」の二文字を手に入れるために鍛えたり、僕らはどうしようもない学校に通っていたので、体育教師の機嫌が悪かったり、何か問題があるたびに「1.坊主、2.走る、3.筋トレ」のどれかを強制させられた。僕は長距離も筋トレも嫌いではないので、面倒臭いことをさせられるよりかは、ラクな気分でいたが、そうでもない人達の方が多かったのだろう。

 

 しかし、久しぶりに走るとすぐに下腹部が痛くなるのだ。けれども、そんな中に頭をよぎったのが、「きついのは誰でも同じだが、つらいと感じるのは自分自身だ」という村上春樹さんの著書「走ることについて語るときに僕の語ること」に出てくる言葉だった(たしか、この文句も誰かの引用だった)。

 

 学生時代に走っていたときもきつかった。どうしようもないぐらい、きつかったと思う。しかし、つらいと思ったことはそれほどなかったように思うし、一人で黙々と進めることに僕は楽しみを見出す性質だ。

 

 そして、下腹部の痛みを抱きながらしばらく走っていると、いつの間にか痛みが消えており、何も考えない気持ち良さが全身に行き渡り、足を出し、腕を振り、呼吸をするのが自動的に進む。しかし、肩で呼吸をするなどのフォームが崩れそうになると、警句のように「肩で呼吸をするな、フォームを崩すな」という言葉がリピートされ、体に染み付いた過去の自分を思い出す。「積み重ねてきたものは決して裏切らないのだな」と思いつつ、警句のように聞こえる言葉に苛立ちを覚え、姿勢を戻し、足を出す。

 

 走る距離も決めず、「途中で歩くかもしれない」と思いながら走り始めたが、結局、隣町まで走り、一度も歩くこと無く、家までの往復距離を走り切ってしまった。2kmぐらいだと思っていた距離も計測をしてみると4kmを越えており、距離感覚の衰えに呆れてしまった。これに懸垂を加えたいし、横浜まで走りたいと思った。

 

 得手不得手は誰でもあるので、誰かに走ることを勧める気は毛頭ないが、僕にとって体を鍛えること、走ることは何も考えないで済む貴重な時間であると共に、心身ともに自分の甘さを痛感することのできる行為なのだ。

2 コメント to “ジョグ”

  1. ryusuke Says:

     「きつい」と「つらい」の違いですか。そう考えたことはなかったので、面白いですね。「きつい」だと、その行為にどこか魅力を残している感じがして、「つらい」だと、もう限界、なんの魅力もない。というように思いました。言葉って難しいですね。

     ちなみに横浜のみなとみらいは、人気のジョギングコースらしいですよ。浜風が強そうですが、開放的で眺めもよく、気持ちよく走れるみたいです。ジョギングはシューズ一つでいつでもどこでも始められるし、一番良いスポーツだと僕は思います。根気がいるので向き不向きはありますが、もし不向きだとしても、継続することで根気を養うことも出来ますし。

  2. eguchimasaru Says:

     単純に単語の使い方なんでしょうけど、「きつい上り坂」と言ったら「急勾配」のことですし、「つらい上り坂」と言ったら精神的なことを言っていることになります。

     人気のジョギングコースのみなとみらい。たしかに歩道は広いし、平坦な道と視野が開放的ですね。走っても、電車でも行くまでが大変ですが・・・。ジョギングは土着的な印象があるので、走るためにどこかに行くことはないかもしれませんね。マラソンだったら行きそうですが。

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