軽くなる

2010.8.1日々のこと

 最近、財布の中のカード類を、頻繁に使用するもの以外は抜いた。すると、診察券やポイントカードの類いはポイポイ抜かれていき、それらが抜かれた後の財布の軽さが妙に可笑しかった。引かれた重さは所謂、安全パイの重さである。「もしかしたら使うかな」という気持ちが積み重なり、財布が厚くなり、座る時の体勢を崩すことになっていた。僕は長財布を使っており、カード類もそれほど溜めないようにしていたのだが、それでもこんなにも違うのだから、そうではない人達がこれをしたらどんなに軽くなるのだろうかという思いがよぎった。

 ここでの話は、「安心感を得るために、身動きがとれなくなる」という逆説である。「もしかしたら」なんて実際はほとんどないし、大抵のことは予測して動いている。それらが予測出来ていないのならば、危機管理能力や洞察力が低いか、「もしかしたら」なんて、たいしたことではないようなことであったりする。かかりつけの病院の診察券がなくとも、その場でなんとかしてくれるし、そういう病院でなければ初診なのだから新たに作られる。ポイントカードだって、使用しなければいけない場合は、大抵、そのお店に行こうと思って行っている。

 そして、これらが抜けることで得られた軽さや体のバランスへの効果は、精神的な余裕にも繋がってくるのだから、心身は繋がっているという当たり前のことを実感するのだった。僕がよく言っている、「良い仕事は、良い体から。良い体は、良い心持ちから。」ということは、こういうことからも言えるのだな。自分に気付かされたのだった。

 昨年は、部屋や仕事場の物を片付けて軽くなったが、これからもどんどん軽くなるのだろうか。そう、大切なことはとても単純なことなのだ。余分な物が、複雑にさせ、感覚を鈍くさせる。精神的な環境も軽くしていくのだろうな。

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