線の意味。

2018.8.12ビジネスの健康, 心の健康, 日々のこと

「線」というのは色々な意味を持ちます。
 
線のあっち側とこっち側を分ける意味。
強調する意味。
打ち消す意味。
ホームページのリンクを示すように、意味を持たせる意味。
時計の針のように、モノゴトを指し示す意味。
方向を表すこともできます。
飾り立てる意味もあるし、溝のように物理的な効果を出したり、触覚を刺激することもできます。
線を閉じれば、丸にも四角にもできます。
線を組み合わせれば文字を作ることができるし、立体にすれば建物を作ることもできます。
線を遠くから見れば点になります。
 
ここまで書き連ねていくと、線がすべてを表現できるような気さえしてきます。
ま、こう言っちゃうと、「線と認識できなければ線じゃない」とも言われそうですが、大事なのはそんな議論ではないのです。
 
デザイナーとして大事なのは「線を使いこなす」ことです。
境界線として使うのか、強調するためなのか、平面として見せたいのか、立体として使いたいのかなどなど。
これが意味もなく使おうとすると、飾り立てる使い方しかできなくなります。
 
やたらと線を引いているデザインを見たことがあるでしょう。
そんなデザインを見たことがないという方も、無意味に絵柄を入れているデザインを見たことがあるでしょう。
線が絵柄を作り出すことを踏まえると、線の無駄遣いってやつですね。
 
そうならないためにも、線の特徴を理解して、使うことが重要だよなーと改めて思ったのは、茶道のお茶会に参加して、畳の縁や扇子を「境界線」として使っていることを知った瞬間があったからです。
お茶会での所作を「あ、美しいな」と感じるとき、線を明確に作り出す動きをしています。
所作のなかにある線が効果的に機能して、意味をはっきりと感じるのです。
迷うと、線が曖昧になります。
デザインという視点から言うと、デザインはするのではなく、そこかしこに「ある」のです。
所作のなかにあるデザイン。
これが機能しているか、機能していないか。
だから、茶道のデザインというのもあるんだろうな、と思った土曜日の夕暮れどきでした。
(これから茶道を学んでいくんですけどねー)

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