Black Box

2008.9.26日々のこと

台座となる物体をジェッソで白3回→黒1回→白2回と塗るつもりだったけれど、黒を塗ったときにもの凄く良い黒い物体となり、どうにかこの状態で使えないものかと歯医者での治療中も考えていたが、やはり白くなくては台無しだ(台座で台無しだ)。お詫びに今日一日は黒いままで眺めよう。この黒さ、自分の負の部分が塊となってどすんと落っこちて現れた感じがして、かなり愛おしい。『バガボンド』を読んでいて先週、今週とでてきた「我執」の塊のようにも思える、この黒い物体。どす黒いようにも見え、漆黒のようにも見える。おそらく実家にあったら、いつの間にか、ばあちゃんに使われてしまって「ばあちゃん!?」と驚くが、それが本来の姿かもな、とも思う。

マンガはよく読む。実家にいた頃に近所にあったコンビニにはしょっちゅう立ち読みをしに行っていた。同級生が何人かそこでバイトをし、友との溜り場としても使われ、ほぼ毎日、そのコンビニに行っていた。浪人時代には夜勉強を休憩するときにコンビニに行くと、同級生がそこでバイトをしており、その人たちと会うととても心が和んでいた。しかし、昨年、そのコンビニがなくなったことを知り、コンビニがあった場所には「テナント募集」の貼り紙と立ち入り禁止のロープが痛々しく張られていた。大切な人が亡くなったときのような喪失感が、体中を支配していた。帰る場所を完全に絶たれたようにも感じていた。この1年を振り返ると、色々と失ってばかりいたようにも思える。アレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品が良く感ぜられるのはそのためかもしれない。

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