昨夜

2014.5.5日々のこと

半年振りの友人と、酒を呑んだ。その後、一時間ほどカラオケに行ったのだが、これも数年振りのカラオケだった。モニターはブラウン管から薄型液晶に変わっており、上に乗っかってダイブすることも出来ない時代の変化に、微かな怒りを覚えた。体型こそ変わらずとも、歌うことを忘れている喉と腹は3曲目くらいから声が出なくなり、気持ちの方が逸(はや)っていた。しかしだ、それでも歌い続ける姿を見ていた友人が、「歌っている姿は大学の頃と変わらないな」と言ってくれた。
 
「ワールズエンド」という、酔っ払いが世界を救う映画を直前に見ていたので、「学生時代に成し遂げられなかったバカなことを、中年になって再び挑戦する」という内容が重なった。
 
あの頃成し遂げられなかったこと——考えてみても、思いつかないのは、全速力で生きてきた証拠だろうか。それとも、ただ単に、忘れているだけだろうか。
 
僕はたくさんのことを忘れる。正確には、前意識の引き出しにしまっておくのだ。なので、話途中で「あぁ!」と思い出す。それはたしかに多い。全力においては、大抵のことは全力で臨むようにしているが、歌うことも全力でやってしまうということだ。昨夜気が付いたのは、歌うことばっかりは、後先考えることができないまま、今に至るようだ。あれしか歌っていないのに、今日は喉がガラガラだ。

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