再び良書

2008.5.11日々のこと

『美学辞典』つながりで、佐々木健一氏の『美学への招待』を読む。その間に『脳ってすごい!』という本も読み終える(キャッチー過ぎる題名からかなり眉唾で読んだが、図版もあって門外漢の自分でもわかりやすいものだった。けれども少し情報が古いように思える)。閑話休題、かなりの良書だ。おそらく読む順序は逆なのだが(『美学への招待』→『美学辞典』の順が好ましい)、この道に少しでも(足の爪の先でも)関わってしまっている人で、「知識とか何にもないしぃ〜」などとほざけている御方は読むべし。読んでから疑うことは如何にもできるので、読まれるべき本かと。

しかし、このような著書を読んでいると、「芸術は死んだ」という類いの言葉がでてくるのだが、その度に絶望的な気分に陥る。2月あたりから個展資料のために芸術史や美学についての著書を読み返したりしているのだが、「芸術は死んだ」という文章を知覚すると同時に絶望が私を圧し潰す。一方、「アートは死んだ」という言葉にはあまりそのようなことにはならず、日本語の(カタカナ表記の)「アーティスト」や「アート」という言葉はそれが包含する職域や意味が曖昧すぎるため、以前から使っていなかったのだが、「芸術」と「アート」についても論じられており、その違いがよくわからないという方も読むべき本である。内容は秘密。

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