The limb2

2015.5.31日々のこと

数年前の作品「The limb」(以下、1)に手を加えて「The limb2」になった。「1」を制作していた頃は、今まで以上のスキルアップと今までと異なる手法を模索中であり、それが、僕たち藝術家が、多くを犠牲にし、肉体を費やしても作品を創りたくなってしまうことと重なってコンセプトとなった。
 
培ったスキルは「Grace」へと繋がり、「ギフト」に次いで人の目に触れることが多くなった。その後、「Nikon Df」を手に入れたことで、昔ながらの撮るという行為を思い出し、しばらくの間は初期作品のように写真を撮っていった。
 
創るという行為は、「あの世」に手が届きそうになる、そんな感覚を持ち、その感覚以上の快感を俺は知らない。背中にナイフを突きつけられるような感覚であり、それが偉人と呼ばれた過去の人達と出会わせ、教えをもらう。
 
山から落ちそうになったり、野犬に獲物として対峙したり、寒さで眠れない夜を過ごしたり、飢えて空を眺めたり、車に跳ねられたり––全て物心つく前の持病の感覚を取り戻すかのようだ。しかし、どれも、快感のみであり、「会話」がなかった。「あの世」との境目で先人と会い、教えをもらい、次につながっていく今を創っているこの感覚が、藝術特有なのだろう。それが、過去に完成された「1」を「2」へと昇華させたのだった。

コメントを書く