生涯現役と引退

2008.6.15日々のこと

制作。本当はバリバリに制作と書きたかったが、下地塗り後のものを目の前にただ見つめるだけで、午前の貴重な時間を丸々費やしてしまった。動きなどは既にわかっていたのだけれども何故か動けずに、ようやく夕刻過ぎに側面の下地塗りが不完全であったことを知る。パネルの状態から天地を決めてその印をつけているのだが、それが薄く透けていた。そして、再度、下地塗り。乾くとするすると始められた。しかし、どうだろう、不思議な心地だ。以前なら、この動きだけで完成までもっていったのだけれども、今回はその上から別の動きと色彩を乗せるためなのか、未だベースの部分をつくっているような心持になっている。

話は変わり、私の特徴に「圧倒的な量」を挙げて頂くことがある。ただしかし、「量」だけを求めるのならば、今の何倍も増やすことは容易いだろう。また、「量」があったとしてもその変遷をたどって何も成長していなければ意味がなく、むしろ業界や地球にとっても有害である。この種の職業はスポーツ選手に例えられることがあるが、彼らの「引退」は成績など外的要因から決定を下さなければならないことが多い。しかし、私たちはどうだろう。「生涯現役」ということも可能ではあるけれども、成長していないものを生み出して続けて行くということは、すなわち、毒を生み出しているということである。しかも厄介なことに、その毒は業界全体を蝕み、なかなか裏返ることはない。だから一層、私たちは自分たちへの判断を誤ってはいけない。自分のために制作をするのではなく、作品のために制作はされなければいけない。

それをふまえて私のことや作品たちのことを評価していただけるのは、大変、光栄なことだった。

個展の在廊日ですが、今週は18日(水)、21日(土)しか行けない予定だったけれども、もしかしたら火曜と金曜も行けるかもしれないです。制作と重なっていてなかなか難しいかもしれませんが、宜しくお願いします。

※ web の portfolio を更新して頂きました。滅茶苦茶仕事が速いです、ヨシダさん!ありがとう!
ちなみに、「ギフト」シリーズの構成枚数は増えて行くので、web には載せていません。現在開催中の個展にその全てが納められているファイルも置いていますので、そちらも是非、ご覧下さい。

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