お正月

2010.1.2日々のこと

 あけましておめでとうございます。

 姪っ子と会ってきましたが、「目に入れても痛くない」というのは本当ですね。

 子どもと出会ってつくづく思うのは、「今の時代が悩んでいることをこの子達の時代には残したくない」ということ。それは、その子達の次の時代や、次の次の時代、最終的には人類が終る時にまで考えてしまう。その子達の時代に善いものが残っていて欲しいし、善き人が今よりも多く存在して欲しいのだが、そのためには今の時代においても本当に善いものだと通じなければならない。こういうことに自然と考えが及んでしまうから、僕は藝術を選び、哲学を選んでいるのだ。むしろ、選んでいるというよりかは、そのような考えや作品が、哲学や藝術だと言える(わからなければ辞書を引くことを勧める)。

 作品が人の手に渡るときには、「善いことをしてください」ということを思い、伝えている。誰かが他の誰かに善いことをすれば、再び他の誰かが、また別の誰かに対して善いことをし、この「善いことの連鎖」によって人は善き人になっていく。そして、善き人が多ければ、社会は善き社会になっていくものだ。何故ならば、はじめに社会があって人間がいるのではなくて、社会は人間がいてはじめて成り立つものだからだ。

 では、「善いこと」とは何だろうか? 人はまずここで悩み、考える。つまり、考えることをし、善について考えるということは悪についても考えることであり、それは即ち、人間についても考えるということだ。だから僕は自分に対しても、他人に対しても善いことをしようとするのだ。随分遠回りな方法だと思われるかもしれないが、実は一番の近道だと考えている。

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