一人や一つじゃあ、世代じゃないんだよ

2008.12.16日々のこと

ここ数日、『光学装置の記憶』の創作が進んでいる。今年の9月に一段落し、他の作品が間に入り、現在2作品を創作しながらの進展だ。

以前にも書いたことがあるが、ある作品(B)が進むと別の作品(A)への考察が深まり、結果として作品(A)が昇華される時がある。そんな時には決まって「質を下げるだけじゃないのか?」という疑念が頭をよぎるが、大抵、良い結果となる。そして、その結果が再び作品(B)に反映される、見た目には現れないようなものであっても。そのようなことがあると、一見別々に存在しているようにみえている作品たちが相互関係をもっている面白さを楽しんでしまい、近作とは呼べないような過去の作品を引っ張りだしては乾杯をしたくなる。

そして、作品への楽しみとしては、ここ最近、同世代の作品を観ることが多いのも挙げられる。これも一見すると別々の位置に立っているようにみえるが、拳を開いた掌のように、1つの大陸から伸びていく指のような感覚を抱くことがある。その指たちは伸びれば伸びる程、くっつくことはないのだけれども、「後ろを見てご覧、僕たちはその大陸を渡って共通意識を持てるんだよ」と、強さを与えてくれる。だからかもしれないが、彼らの作品を観ていると血が沸き立ち、骨が軋み、肉が問いかけてくる、「私を、俺を創れ。お前は何をしている?」と。

僕はこの世代が好きだ。

コメントを書く