再現性を高めるアウェイクニングメモ。

2016.10.13ビジネスの健康, 日々のこと

打ち合わせ用の資料を作るときや、戦略的パートナーとのちょっとした会話のときなどに「あの本に書いてあったものが使えるな」というようなことがあるだろう。そのような場合、書籍であっても、ネット記事であっても、記憶から「同じように引っ張り出せること」が生産性の高い会話への糸口となる。記憶から引っ張りだす方法が、時と場合によって異なっていると、どこにあった内容なのかを覚えている必要が出てきたり、もしくは、それらを紐づけている表が必要になったり(パスワード一覧表のようなものだ)、最悪の場合、情報が間違った状態で相手に伝ってしまうことも生じてくる。
 
人間の記憶というのは曖昧なものだ。ドイツの心理学者であるエビングハウスが行なった記憶と忘却時間との実験では、新しく覚えた記憶は1日で約74%を忘れてしまい、その後の1ヶ月で最初から覚え直さないといけないレベルになることを示している。この実験では「無意味綴り」が用いられており、ヒントを与えても思い出せない「完全忘却」と、ヒントを与えたら思い出せる「再認可能な忘却」を分けていないなどの指摘があるが、「自分にとって意味を持たせることで忘れにくくすること」も可能だといえる。
 
しかし、だからと言って「覚える量」を増やすのは容易ではなく、覚えるぐらいなら、脳が処理するスピードを上げたいのではないだろうか。ずぼらな私はそう思う。そこで、私が行なっているのは、メモアプリを使った記憶におけるアウェイクニングメモを作成することだ。書籍や文献、ネット記事でも、「使える」と思ったところをタイトルと一緒に、メモアプリに箇条書きにしたり、中略を交えて引用して記載することで、論文の参考文献欄を見ればその内容がわかるようなのと同じようにしている。ネット記事であれば、タイトルとURLさえわかれば十分だ。つまり、「忘れないように覚えておく」のではなく、「いつでも記憶から引っ張り出せるようにしておく」のである。
 

クラウドによる恩恵。

 
メモアプリを使う前は、本に付箋を貼って本棚にしまったり、kindleを使ったり、自炊(書籍のPDF化)を試したりもしたが、どれも「思い出す方法」がバラバラであり、本棚にある内容を目の前の人に話すことはほとんど不可能であった。Evernoteも試してもみたが、当時の私にとっては機能が多すぎて「メモに直接アクセスできて、もっと動作が軽くて、機能が制限されているツール」を探していた。その後、iPhoneとmacのメモアプリがクラウド上で同期をするようになってからは、純正のメモアプリを使ってアウェイクニングメモを作るようになった。
 
必要な箇所を書き出す作業によって、その内容が使われる際のイメージもつきやすく、知識を自分のものとして吸収しやすくなっている(意味を持って記憶するということだ)。内容を忘れてしまった場合も、メモアプリを見れば「どの記事のどんな内容だったのか」を思い出しやすくなり、会話や資料作成の再現性が高まっている。
 

本を紹介するということ。

 
また、ビジネスマンにおいて、「本を勧めること」や「本をプレゼントすること」は相手に興味を持っていたり、理解していることへの表れにも繋がり、戦略的パートナーシップを深めるきっかけづくりにもなる。そんなときに情報があやふやであったり、個人的な好みでしか勧めることができないと、仕事においてもそうであると勘違いされたり、プレゼンが下手と思われる可能性も出てくるだろう。友人関係においても、あやふやな情報を話す人として思われるているかもしれない。人に何かを勧めるというのは「あなたにとって、こんな理由でベネフィットがある」と説明ができなければ、紹介された人は動き難いのである。購買モデルが企業からの押し売りではなく、紹介(口コミ)と調査に変化した現代において、どんなタイミングでも忘却した記憶を呼び覚ますアウェイクニングメモはおすすめの方法だ。
 
 
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