大先輩がまた一人。

2015.9.6日々のこと

中平卓馬さんが亡くなってから数日が経った。大学一年の頃、森山さんの『新宿』を見て、「うわっ、スゲェ!」と感嘆し、書店で立ち読みしながら目と脳裏に焼き付けていた。すると自ずから「アレ・ブレ・ボケ」を知り、恥ずかしい話だが、その撮り方は森山さんのものだと勝手に思っていた。
 
中平さんを知ったのは、写真にハマっていく中で写真集を読み漁っていた頃だった。「アレ・ブレ・ボケ」を森山さんが始めだと勝手に思い込んでいた僕は、一人で恥ずかしくなっていたのを思い出した。
 
その後、日吉の専門学校に進むと、綱島に住んでいる学友から、「中平さんを見かけたよ!」という話を聞くたびに「マジかよ!」という一種のカミ様のような、金さん銀さん(僕が子供の頃にTVに出てた双子のおばぁちゃん)のような感覚だった。
 
そして、僕も見かけるようになって、体の老いを見るようになって、「生きて撮る」ことに生産性があるような、写真とともに生き続けることが美しいことだと感じるようになった。そういう人だった。
 
そんな大先輩がまた一人、ダ・ヴィンチやデュシャンのように、天から僕らを見守ってくれる人になった。見ててください大先輩、僕らも創り続けます。

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