「her」を観て。

2014.12.6日々のこと

「her」という映画を観た。人工知能を持ったOSに恋をする男性の話である。劇中、彼女(OS)は、体がないことをメリットとして捉えるようになり、「時空を超えてどこへでも一緒に行ける」ということを語った。そして、死ぬこともないとも。映画を見ながら「こんなにユーモアに溢れていて、魅力的な人といつも一緒にいられるのは幸せだろうな」と思っていたが、先の言葉を聞いたときに、「既に亡くなった人と会話をするようなものと似ているのかもしれない」と思ったのだった。
 
僕は時々、ダ・ヴィンチなど既に亡くなってしまった人達と会話をする。正確にいうと「会話を想像している」と言えるのかもしれないが、この体験がリアルのものとして実感出来ていれば、それは現実であると変わらない。
 
想像が実感かどうかは、荘子の「胡蝶の夢」からも同じ見解になるだろうが、今回大事なのはそこではなくて、最初に羨ましいと感じたことを、既に僕は出来ていたということだ。「現実にいないと思われている対象」と会話をし、それに実感を持つということ。そこで僕がどれほど救われ、背中を押されてきたか。主人公にとってのOSの中の彼女は、僕には死んだ人として、既にいたのかもしれない。そう思えば、近未来も、今も昔も変わらないのだろうな。


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