何も持っていなかった人間。

2014.10.13日々のこと

ちょっとずつ、ちょっとずつだが、一週間に一度の間隔で家にあるものを身軽にしていっている。昔から家にあるのは作品、機材、資料、生活用品ぐらいだが、それでも「減らそうと思えば減らせる」ことに気がついていたのだった。そんな「頭の片隅にあった荷物」を片付けてしまいたくなったのだ。
 
僕らは生きているうちに、たくさんの想いや物を積み重ねていく。それは悪いことじゃないが、本来、人は何も持っていない生き物だった。「これは大事、あれも大事」と残しているうちに、「これも大事かもなぁ、あれも大事かもぁ」、「いや、これはもしかしたら大事かもしれないぞ」など、余分なものが付着してくる。
 
これは、人間関係も同じであり、「あの人のつながりのこの人」というように、たくさんのつながりが大切なように思えてくる。それはそれで悪いことじゃないが、身動きが取れなくなるようならば悪いことだ。
 
人も物も同じ——全ては、何も持っていなかった自分が根っこにあるのだ。

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