あなたはどちらだ。

2014.9.13日々のこと

クリエイティブの価値が安すぎる——常日頃から、そう思えて仕方がない。よく言っていることだが、僕は「時間・労力・金銭・感情」の4点から、コストとメリットを考えている。各項目で差し引きをし、総合的にメリットの方が高まるように行動を決定しているのだが、気付かないだけで、それは誰でも同じだろう。
 
そして、何故か日本では、金銭を悪と見なしながら、ケチる癖がある(言葉は悪いが、やっていることはそうだろう)。
 
殊にクリエイティブで、依頼者と制作者の間でこのようなことが生じる場合、どちらにも問題があり、依頼者は制作にかかる金額に対して「高い」と感じることが多いようだ。そして、双方が知人であり、友人であると「感情」を売り文句にして依頼をしてくる依頼者が増えてくる。つまり、「0円」だ。
 
クリエイティブを仕事にしていると、必ずと言っていいほど、こういう話がやってくる。
 
「感情に訴えかけて依頼をする(依頼者)→制作(制作者)」
 
物々交換の時代だとしても、成立していないことがわかる。これを続けていれば制作者は餓死することになり、依頼者が殺したことになる。僕も「0円」で制作することはあるが、それは、
 
「感情が動く(制作者)→制作(制作者)」
 
という具合に、感情を自分自身で決定しており、これは至極当然なことである。感情は誰かに決めてもらうことでも、押し付けられるものでもない。どんな場面に遭遇しても、それをどう感じるのかは、自身によるものだ。
 
それでも、「0円依頼」がそこかしこで起きるのは、「考える」ということがとても安いことになっていたり、考えがなくても制作が出来ると思われているのだろう。「考える」ということは、「感情」のコストを支払っているということだ。だから、「感情」をメリットとして依頼をしたとしても、制作で「感情」の部分を使っているのだから、それ以上のメリットである必要がある。つまり、
 
「感情に訴えかけて依頼をする(依頼者)→考えて(感情を使って)制作をする(制作者)」
 
ということであるが、実際には制作に時間・労力・金銭が発生するので、
 
「感情に訴えかけて依頼をする(依頼者)→考えて(感情を使って)制作(時間・労力・金銭を使って)をする(制作者)」
 
ということになり、結果的に、制作者の方がコストを支払う状況になっているのだ。そんな状況をクリアーにする簡便な方法として、金銭が存在しているというのに、依頼者はケチるのだ。
 
そんなんだから、気っ風がいい大人と出会うと、「この人のために何か出来ることはないか」と想い、頑張るのだ。制作者を餓死させる依頼者がいる一方、手助けしたいと思わせてくれる人がいる。気っ風がいい人というのは、こういうところで、強いのだ。

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