Project 04: Sakitamame Edamame
Project 04: Sakitamame Edamame
米の生産が盛んで、田んぼアートで有名な埼玉県行田市。その土地で江戸時代から続く在来枝豆「さきたまめ」のブランディングをしました。地元農家さん達の民営団体「行田豆吉クラブ」と行田市役所、外部関係者の官民連携で進めた特産品事業をご紹介します。
さきたまめは、埼玉県行田市で江戸時代から続く品種「行田在来」の枝豆です。香りが良く、旨味の濃い品種ですが、品種改良を行っていないため育てるのが大変で、一時はほとんど栽培されなくなりました。この美味しさを後世に残したいと、約10年ほど前に地元農家の方々が立ち上がり、市場に出荷できるようになりました。
今までは「行田在来えだまめ」として販売されていた商品に、ネーミングを新たにつけるところから企画がスタートしました。そこで、共有された資料に目を通した後、枝豆(大豆)の歴史や文献を調査し、行田在来えだまめの特徴を整理、キーワードを選定し、開発したネーミングを提案しました。結果、この土地でしか名乗ることができないネーミング案「さきたまめ」に決定しました。
さきたまめの特徴のひとつである江戸時代から続いている伝統品種であることが、既存のパッケージでは表現されていない問題点を改善しつつ、デザインクオリティを高めることで、他の枝豆と差別化することを目指しています。また、旧パッケージよりも使用する版下の数を減らし、製造コストの低下に成功しました。
商品パッケージと連動するロゴタイプのデザインは、提案したパッケージデザインに合わせて開発しています。採用されたデザイン案においては、手仕事の温もりと食品の味わい深さをイメージさせています。
官民連携事業の成否は、お互いを尊重し合って活動ができているかにかかっています。それは協力する外部関係者においても同じです。さきたまめの仕事の良さは、それぞれの立場を超えたチームワークの良さにあり、それが商品の良さにもつながっているため、これらを伝える写真や動画を撮影しました。また、お揃いのTシャツやのぼりなどのツールは、イベントや販売棚での求心力をアップさせ、ブランディングを強固にします。
ブランディングを始めて、「さきたまめ」として再スタートを切った2023年。販売開始直前から、各新聞社や地方テレビ局からの取材申し込みが続きました。その後のスーパーでの販売や、参加したイベントでも完売御礼が続き、無事に今年の販売終了に至りました。埼玉県行田市の新しい特産品になるよう、今後もブランディングサポートをしていきます。